王天培

王天培の生涯と業績

李晋克として知られる王天培（おう てんばい）は、中華民国時代の軍人であり、主に黔軍や国民革命軍での活動により知られています。彼の旧名は倫忠で、字は植之、トン族（侗族）に属し、家族には同じく軍人の弟、王天錫がいます。

初期の経歴

王天培は、貴州に生まれ、父は緑営の都司であり後に造林を始めました。彼は初めて学問に心を寄せましたが、科挙の廃止に伴い、軍人の道を選びました。1907年に貴州陸軍小学堂に入学し、武昌陸軍第3中学で学びます。この頃、彼は袁祖銘と兄弟の契りを結び、親しい関係を築きました。

彼の軍歴の始まりは、1911年の武昌起義です。この際、王は学生代表として革命軍に参加し、戦線での指揮官となりました。その後、保定陸軍軍官学校に入学し、次第に軍功を上げていきました。

黔軍での昇進

王天培は、護国戦争などの重要な戦闘で活躍し、次第に昇進を果たします。彼は彭漢章と共に有力な指揮官の配下となり、様々な戦争に参加しました。1920年には民九事変にも関与し、孫文の命令で広西省攻撃に赴きます。最終的には、柳軍の指揮官として実力を発揮しました。また、中央直轄の軍に任命され、黔軍の指揮の要として知られるようになりました。

袁祖銘への支持とその後の活動

同年、王天培は貴州省の実権を握る谷正倫と共に貴陽に帰還しました。しかし、北京政府の支持を受けた袁祖銘が現れ、王は袁に寝返り、彼を支持することで、貴州の軍を指導しました。これにより王は黔軍第2師の師長に任命され、さらなる権力を得ていきます。

1923年には唐継虞率いる滇軍が進攻してきますが、王はその際も力を発揮し、地域の民心を掌握しました。次第に権力を回復した袁祖銘は、和解を経て王も共に貴陽に戻ることになります。王は貴州督弁に任命されるものの、故郷で活動を続け、弟と共に地域での権力を維持しました。

北伐とその結末

王はその後、国民政府により国民革命軍第10軍司令官に任命され、北伐に参加。しかし、北伐の過程で蔣介石と李宗仁との連携がうまくいかず、次第に孤立していきました。最終的には南京で拘留され、蔣介石の命令で処刑される運命を辿ります。彼の死は当時の世論から疑問視され、多くの批判が寄せられました。

1931年には、王の名誉が回復されるなど彼の業績が再評価されることとなりました。彼の生涯は、混沌とした中華民国の歴史を象徴するものとして、今なお注目されています。

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