王尋

王尋（おう じん）

王尋は、中国の前漢末期から新代にかけて活躍した政治家・武将です。彼の生涯は、王莽による新の創始と、その滅亡という激動の時代を反映しています。

生涯

王尋は、王莽に仕え、丕進侯に封じられました。前漢末期には、匈奴への使節団に副校尉として参加しています。新が創始されると、王莽を補佐する11人の一人に名を連ね、大司徒に任命され、章新公に封じられました。王莽による長安の祖廟建築では、大司空王邑と共に工事の指揮監督を務めました。

地皇3年（22年）には、王莽の命令で10数万の軍勢を率いて洛陽に駐屯します。翌年、劉秀率いる漢軍が潁川郡に進攻すると、王邑と共に各郡の部隊から兵力を動員し、「虎牙五威兵」と称して鎮圧に当たりました。

昆陽の戦いと最期

王邑と共に昆陽を包囲しますが、劉縯の討伐を主張する荘尤の進言を聞き入れず、昆陽攻略を優先します。しかし、昆陽攻略に手間取っている間に宛が陥落し、劉秀の援軍が現れます。王邑は劉秀軍を軽視し、自ら軍を率いて挑みかかるも撃破され、王尋も戦死します。この昆陽の戦いでの敗北は、新軍の瓦解を招き、王莽政権の崩壊を決定づける一因となりました。

王尋の生涯は、時代の変化に翻弄されながらも、自らの信念に基づいて行動した人物像を浮き彫りにしています。

参考文献

『漢書』巻99中列伝69中・下王莽伝中・下、巻94下列伝64下匈奴伝下
『後漢書』本紀1上光武帝紀上

関連項目

* 新末後漢初

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