王沖

王沖（おう ちゅう）

王沖（492年 - 568年）は、南朝梁から陳にかけての人物で、字は長深、本貫は琅邪郡臨沂県です。南朝梁の給事黄門侍郎であった王茂璋と、武帝蕭衍の妹である新安穆公主の間に生まれました。

経歴

18歳で秘書郎を初任とし、その後、永嘉郡太守、太子舎人を歴任します。父の死により一度は職を離れますが、喪明け後、太尉臨川王府外兵参軍・東宮領直、太子洗馬、太子中舎人を務めます。その後も招遠将軍・衡陽郡内史、武威将軍・安成嗣王長史・長沙郡内史と、様々な官職を歴任しました。

528年には、安成嗣王蕭機が湘州で死去した際、監湘州諸軍事を担当。その後、太子庶子、給事黄門侍郎と昇進します。537年には、武帝の外甥として安東亭侯の爵位を受け、明威将軍・南郡太守、太子中庶子・侍中を経て、監呉郡諸軍事、呉郡太守となります。召還後は通直散騎常侍となり、左民尚書を兼任しました。その後も明威将軍・軽車当陽公府長史・江夏郡太守、平西邵陵王長史、驃騎廬陵王長史・南郡太守と、多くの官職を経験しました。

547年、廬陵王蕭続の死後、州府の事務を代行。湘東王蕭繹が荊州に駐屯すると、その下で鎮西長史となりました。侯景の乱が勃発し、蕭繹が荊州で承制すると、王沖は持節・都督衡桂成合四州諸軍事・雲麾将軍・衡州刺史に任じられました。蕭繹の四男である蕭元良が湘州刺史となると、行湘州事を務め、長沙郡内史を兼任しました。侯景の乱が平定されると、翊左将軍・丹陽尹に任じられます。

552年、武陵王蕭紀が挙兵し、王琳の部将である陸納らが湘州で蕭紀に呼応すると、王沖は陸納に捕らえられます。その後、陸納が元帝に降伏すると解放され、侍中・中権将軍の位を受けました。554年、江陵が西魏の侵攻により陥落し、蕭方智が太宰となると、その下で左長史を務めます。紹泰年間には、左光禄大夫・尚書右僕射を経て、尚書左僕射に上り、556年には開府儀同三司の位を受けました。その後、再び丹陽尹となり、南徐州大中正を務めました。

557年に南朝陳が建国されると、左光禄大夫となり、558年には太子少傅に任じられました。559年に文帝が即位すると、特進・左光禄大夫の位を受け、561年には再び丹陽尹となりました。

568年1月12日に死去。享年76。侍中・司空の位を追贈され、諡は元簡とされました。

子女

王沖には30人の子がいました。

王瑒（十二男、字は子璵）
王瑜（十三男、字は子珪）
王瑱

伝記資料

『陳書』巻17 列伝第11
* 『南史』巻21 列伝第11

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