王玄謨

王 玄謨（おう げんぼ）

王玄謨（388年 - 468年）は、南朝宋における軍人及び政治家です。本貫は太原郡祁県にあり、字は彦徳と表されます。

経歴

彼は後漢の司徒王允の従子、王閎の六世の孫にあたる王秀の子として誕生しました。幼少期に父を亡くし、族父の王蕤に育てられた彼は、「気概高亮にして、太尉の彦雲の風あり」と評された才能の持ち主です。劉裕が徐州にいた時に彼は召し出され、従事史としてのキャリアが始まりました。

景平2年（424年）、謝晦が荊州刺史に就任すると、玄謨は南蛮行参軍として彼に仕官し、武寧郡太守に任命されました。元嘉3年（426年）には謝晦が戦死しますが、彼は主要な部将ではなかったため、罪に問われることなく元の職に復帰しました。元嘉年間には長沙王劉義欣のもとで任務を遂行し、北魏に対する北伐の計画を何度も提案しますが、文帝に却下されました。

元嘉24年（447年）、興安侯劉義賓の下で輔国司馬へと昇進し、彭城郡太守に任命されました。しかし、元嘉27年（450年）に北伐が実行されると、玄謨は寧朔将軍として派遣され、黄河流域へと向かいます。碻磝戍主との戦闘では敗北し、その後の追撃に遭いながらも自らは帰還し、文帝に状況を報告しました。

元嘉30年（453年）からは益州刺史として活動し、武陵王劉駿の軍に従い、反乱勢力に対抗しました。彼はまた複数の州を歴任し、反乱軍との戦闘で数々の勝利を収める一方で、時には讒言によって失職の危機に直面することもありました。

特に孝建元年（454年）には反乱軍に対して見事な軍事行動を取りますが、内政の不安や讒言によってその後の地位を脅かされます。以降も玄謨は幾度か戻されるものの、不満の声が大きくなり、最終的には大臣たちの中で生き残る術を見出しました。その間に彼は自己の信念に従い、同時に皇帝に対して苛酷な刑罰の撤回を訴え続けるなどの行動を取りました。

泰始元年（466年）以降、王玄謨は反乱を鎮圧し続け、南方での戦闘において際立った功績を挙げます。泰始4年（468年）には87歳でこの世を去り、荘公の称号が贈られました。彼の死に際して、数々の子孫達がそれぞれ異なる道を歩むことになりますが、王玄謨の影響力は彼の死後も南朝の政治と軍事に広く浸透していきました。

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