祁県

祁県（き-けん）

祁県は、中華人民共和国山西[[省]]晋中市に位置する県です。2500年以上の歴史を持つ古都であり、国家歴史文化名城にも指定されています。

地理

祁県は、山西[[省]]中部の太原盆地に位置し、汾河の東岸にあります。隣接する平遥県も国家歴史文化名城として知られています。県人民政府は昭余鎮にあります。

歴史

古くは昭余と称され、春秋時代には晋の大夫・祁奚の食邑となり祁邑と呼ばれました。前514年に祁県が設置されて以来、長い歴史を誇ります。漢代には匈奴の駐屯地の一つとなり、金代には祈県と改称されましたが、元代に再び祁県となりました。

清末には、山西商人が中国全土で活躍し、祁県は隣接する平遥県や太谷区と同様に、晋商の本拠地として金融の中心地として繁栄しました。「金太谷、銀祁県、銅平遥」と称されたほどです。

行政区画

祁県は以下の行政区画に分かれています。

県級開発区: 昌源城区、丹楓城区、麓台城区
鎮: 昭余鎮、東観鎮、古県鎮、賈令鎮、城趙鎮、来遠鎮
郷: 峪口郷

経済

鉄道は同蒲線が県内を斜めに貫いています。土地は肥沃で水源も豊富であり、コムギ、トウモロコシ、コーリャンなどの穀物生産が盛んです。クルミやリンゴは特産品として知られています。

農業の他に、ガラス製品業も盛んです。特に吹制玻璃（吹きガラス）の生産量は中国最大規模であり、北アメリカなど海外にも輸出されています。

出身者

祁県は古くから多くの有名人を輩出してきました。

文人・政治家: 祁奚、王允、温嶠、温大雅、王維、温庭筠など
* 武人: 王玄謨、王僧弁、王忠嗣、王方翼など

羅貫中も祁県出身の可能性があるとされています。

明清時代には、喬致庸や渠本翹など、祁県出身の晋商が金融業で成功を収めました。彼らの邸宅は現在も残されています。

名所と文化

祁県県城は、北魏時代に建てられた城郭都市がもとになっています。十字路を中心とした街路や、縦横に交錯する街路は当時の都市計画を今に伝えています。明清時代の街並みが残る貴重な場所です。

県城内外には1,000か所以上の民家や邸宅が残されており、中でも喬家大院は有名です。映画『紅夢』やテレビドラマ『喬家大院』の舞台にもなったこの邸宅は、清の乾隆年間に建てられた晋商・喬家の邸宅で、レンガ造りと木造建築が組み合わさった美しい建物です。また、渠家大院も晋商の邸宅として知られ、現在は晋商文化博物館となっています。

祁県では晋劇と呼ばれる演劇が盛んで、庶民が晋語并州方言で演じています。また、祁太秧歌と呼ばれる民謡も親しまれています。

もう一度検索