王用賓

王用賓（おう ようひん）

王用賓は、清朝末期から中華民国初期にかけて活躍した政治家であり軍人です。字は太蕤、号は鶴村と称しました。彼は、激動の時代の中、革命家として、また政治家として重要な役割を果たしました。

革命派としての活動

王用賓は儒学者の家に生まれましたが、家計が厳しかったため、父は商売で生計を立て、その収入で王用賓の学費を工面しました。1904年、日本に留学し法政大学で学びました。留学中の1905年には中国同盟会に加入し、山西支部長として革命運動に身を投じました。帰国後は、太原で革命派の機関紙『晋陽公報』を創刊し、総編集者として革命思想の普及に尽力しました。官憲による度重なる弾圧や日本への亡命を余儀なくされた時期もありましたが、彼は革命活動を断念することはありませんでした。また、革命派の有力者である呉禄禎を擁立して山西での蜂起を計画しましたが、呉の暗殺により実現には至りませんでした。

1911年10月、武昌起義に呼応して山西省でも革命派が蜂起し、閻錫山が都督となりました。王用賓は、閻錫山の招きに応じて帰郷し、河東兵馬節度使に任命され清軍と戦いました。中華民国成立後、王用賓は臨時省議会議長に就任し、1913年には参議院議員に当選しました。しかし、同年には二次革命（第二革命）に参加し袁世凱に対抗しましたが、敗北を喫しました。

国民党員としての活動

その後も王用賓は反袁活動を続け、護国戦争（第三革命）や護法運動にも参加しました。1920年には、孫文の広東大元帥府で参議に任命され、その後、北方に戻り、1922年には国民党山西省支部籌備処処長として党勢拡大に尽力しました。1924年1月には、国民党第1回党大会に山西省代表として参加しました。同年10月には、孫文の命により直隷派の胡景翼の軍に慰問使として合流し、河南省長公署秘書長や同省省長代理を歴任しました。

王用賓は、国民党や国民政府において重要な役職を歴任しました。1928年夏には、国民革命軍南路軍総参議に就任し、同年10月には北平政治分会秘書長を務めました。また、この年から2期連続で立法院立法委員を務め、法制委員会や財政委員会で委員長を務めました。1934年からは国民政府司法行政部部長に就任し、国内の司法制度の整備・強化に貢献しました。1935年11月には、国民党第5期中央執行委員候補に選出され、1937年8月からは中央公務員懲戒委員会委員長に就任しました。1941年冬には、前線将士慰労団第1団団長を務めました。

また、王用賓は詩人としても知られ、詩集『半隠園詩草』を出版しています。1944年4月7日、心臓病により62歳でこの世を去りました。


王用賓は、革命家、政治家、軍人として激動の時代を生き抜き、中国の近代化に貢献した人物として記憶されています。

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