球泉洞

球泉洞は、熊本県球磨郡球磨村、球磨川沿いの国道219号線沿いに位置する権現山の地下にある鍾乳洞です。その総延長は4800mに及び、九州最長、日本でも第6位の規模を誇ります。このうち、約800mが観光用に整備されており、一般公開されています。

形成と発見

球泉洞の石灰岩層は約3億年前に海中で形成されました。その後、地殻変動によって隆起し、雨水が二酸化炭素を吸収しながら浸透、球磨川へと流れ込む過程で侵食され、現在の形になりました。洞内には、この環境に適応した独自の生態系を持つ生物が生息しています。

1973年3月、愛媛大学探検隊が、コウモリの巣として知られていた縦穴から地下70mまで潜り込み、鍾乳洞を発見しました。その後の約2年間の調査で全貌が明らかになり、1975年に一部が一般公開されることとなりました。この探検には、当時学生だった洞窟探検家・山内正氏も参加していました。

球泉洞のある権現山の周辺には、杣鼻山（827m）をはじめ、高沢鍾乳洞、神瀬石灰洞窟、黒仁田洞、大瀬鍾乳洞など、他の小規模な鍾乳洞も点在しています。

洞内の景観

公開されている洞内は、入口から坑道を通って繋がっています。洞内は年間を通して約16℃に保たれており、快適に見学できます。探検隊が最初に下りたホールを起点に、さまざまな鍾乳石や地形を見ることができます。フローストーン、ポットホール、天然橋、洞窟サンゴ、ヘリクタイト、リムストーン、ホマーテ型石筍など、多様な景観が広がります。

これらの景観は、鉄骨製の階段や橋が整備されたコースを歩きながら、容易に観察できます。さらに、第二本洞へと続く地下200mまでのエリアは、「ファミリー探検コース」として、ヘルメットとヘッドランプを着用し、係員の案内のもとで探検を楽しむことができます。

球泉洞スピリアル

球泉洞内では、希望者が購入した球磨焼酎を保管し、最長20年間熟成させることが可能です。これは、もともとワインの貯蔵を想定していたアイデアから発展し、地元の焼酎を熟成させる取り組みとして実現しました。

施設情報

入場料
大人（高校生以上）：1,100円
中人（中学生）：800円
小人（小学生）：600円
幼児（3歳以上）：450円
探検コースは別途800円



アクセス

JR肥薩線球泉洞駅から吊り橋を渡り、徒歩約20分。
JR肥薩線同一勝地駅から九州産交バス神瀬福祉センター行きに乗車、「球泉洞前」下車すぐ。
九州自動車道人吉インターチェンジから約18km。



その他
2020年7月の豪雨により一時閉鎖されましたが、2022年4月に再開しました。

外部リンク

ようこそ球泉洞へ：球磨村森林組合
球泉洞 あじこじ九州
球泉洞 洞窟サミット

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