甘利虎泰

甘利虎泰（あまり とらやす）

甘利虎泰は、戦国時代に活躍した著名な武将であり、甲斐武田氏に仕える譜代家老でした。彼は後世において「武田二十四将」や「武田四天王」の一人として広く認知されています。その忠誠心と戦略的な才能により、彼は多くの戦いで重要な役割を果たしました。甘利氏は甲斐源氏に由来し、一条忠頼から続く庶流とされ、平安時代末期には甲斐国に存在した甘利荘を支配していたと考えられています。

生涯

彼の歴史的な活動は、武田信虎の時代から始まります。甘利虎泰は、板垣信方や飯富虎昌、原虎胤と共に信虎に仕官し、天文10年（1541年）には信虎の追放に大きな影響を与えたとされています。この時期、甘利は武田家の宿老として最高の地位である「両職」を務めていたとされますが、信虎期の記録はあまり残っていません。

史料上の彼の初めての記録は、天文9年（1540年）11月に高野山成慶院で妻の母を供養しているものです。翌年には妻の父と思われる善由上座の供養も行っています。また、天文11年（1542年）には甲府に新しい屋敷を設けたことが文献に見られます。

虎泰は武田晴信の指示で、諏訪氏を討伐した際にも重要な役割を果たしました。『甲陽軍鑑』によれば、彼は「荻原常陸介に劣らない剛の武者」と評され、その戦術的な才能は足軽大将の山本勘助も認めたと伝えられています。

当時、信虎の時代には諏訪氏や小笠原氏が甲斐に侵攻した韮崎の戦いが記録されていますが、これら合戦の具体的な詳細は伝わっていないことから、実在を疑う声もあります。虎泰の長男である信益もこの戦闘で戦死したとされ、その供養も行われました。

虎泰はその後も様々な戦いに参加し、特に1547年には信濃佐久郡の志賀城攻めにおいてその手腕を発揮し、関東の上杉憲政からの援軍を撃退し勝利を収めました。最終的には1548年の上田原の戦いで村上義清相手に戦死し、武田家の歴史に名を刻む存在となりました。

子孫

彼の家族について見ると、息子には信忠と信康がいて、信忠が家督を継ぎました。しかし、信忠は1567年に亡くなり、その後は未成年の信頼が補佐を受けていた時期もありました。信康は1575年の長篠の戦いで戦死し、その後の家族の動向は明確ではありません。虎泰の娘は安中景繁の後室や、坂西左衛門の室などがいると伝えられています。

甘利虎泰の名は、後の歴史や文学にも残されており、いくつかの小説やテレビドラマなどで彼の生涯が描かれています。彼の功績は今なお多くの人々に語り継がれる、日本の戦国時代の重要な武将の一人です。

もう一度検索