生きて行く私

宇野千代『生きて行く私』

『生きて行く私』（いきていくわたし）は、作家・宇野千代が自身の人生を投影した自伝的小説です。1982年に毎日新聞『日曜くらぶ』で連載され、翌年には単行本として刊行され、多くの読者を魅了しました。後に中公文庫と角川文庫からも発刊され、その人気は不動のものとなりました。また、1984年と1991年にはテレビドラマ化もされています。

あらすじ

物語は、主人公である千代が生まれ育った山口県岩国市の小学校に代用教員として赴任するところから始まります。舞台は主に大正時代から昭和時代にかけて。千代は、その時代の中で数々の恋愛や結婚を経験し、自由奔放でありながらも波乱に満ちた人生を歩んでいきます。小説では、千代の恋愛遍歴や結婚生活を中心に、彼女の個性的な生き方や価値観が鮮やかに描かれています。

テレビドラマ化

『生きて行く私』は、過去に2度テレビドラマ化されています。

1984年版

1984年4月4日から6月27日まで、TBS系列で毎週水曜22:00 - 22:54に、毎日放送制作の連続ドラマとして全13回が放送されました。この作品は、第2回ATP賞最優秀賞を受賞しています。特筆すべきは、第1回放送で作者である宇野千代自身が出演し、作品紹介をドキュメンタリー風に行ったこと。また、最終回にもゲスト出演しています。

キャスト

宇野千代：十朱幸代
宇野リュウ：村松英子
宇野俊次：森幹太
佐伯正夫：三浦洋一
松村悟：神田正輝
松村雄一：岩城滉一
尾崎士郎：小野寺昭
東郷青児：津川雅彦

スタッフ

原作：宇野千代
脚本：鎌田敏夫
演出：久野浩平
制作：P.D.S.、毎日放送

1991年版

1991年1月7日から2月19日まで、フジテレビ『妻たちの劇場』枠で全30回が放送されました。

キャスト

宇野千代：宮崎美子
宇野リュウ：白川和子
宇野俊次：市原清彦
佐伯正夫：大場順
藤村悟：大橋吾郎
尾崎士郎：広岡瞬
東郷青児：岡本富士太

スタッフ

原作：宇野千代
脚本：宮川一郎、野波静雄、中島玲子
演出：高橋繁男、富塚博司
* 制作：東映、フジテレビ


『生きて行く私』は、宇野千代自身の人生を色濃く反映した作品であり、彼女の自由な生き方や恋愛観を通して、時代の変化や女性の生き方を考えさせられる作品として、今もなお多くの読者に愛され続けています。

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