生野駅 (北海道)

生野駅：北海道の小さな駅の歴史

生野駅は、北海道紋別郡遠軽町生田原豊原にあった、JR北海道石北本線の駅です。2021年3月のダイヤ改正で廃止となり、現在は廃駅となっています。駅番号はA52でした。

生野駅の誕生と移転

生野駅の起源は、1946年（昭和21年）にまで遡ります。当時、北見保線区生野線路班の職員住宅があった豊原57号に、仮乗降場が設置されました。しかし、職員住宅がその後なくなると、地域住民から地区の中心部への移転を望む声が上がり、1973年（昭和48年）、約1キロメートル離れた豊原54号に移転。この場所で2021年まで営業を続けました。

仮乗降場時代から停車本数は少なく、廃止直前には、普通列車の上り1本、下り2本のみ停車する状態でした。利用者の減少が、最終的に駅の廃止につながった要因と言えるでしょう。

生野駅：年表と駅名の由来

生野駅の歩みを年表で示します。

1946年（昭和21年）12月1日：運輸省石北線の生野仮乗降場として設置
1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道に移管
1961年（昭和36年）4月1日：所属路線を石北本線に改称
1973年（昭和48年）：豊原54号に移設
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。同時に駅へ昇格
1990年（平成2年）3月10日：営業キロ設定
2007年（平成19年）：待合室撤去
2021年（令和3年）3月13日：廃止

駅名の由来は、生野駅周辺地域を含む旧地名「生野」から来ています。「生田原の野にある」という意味と伝えられています。現在の字名である豊原は、1944年（昭和19年）の字名整理でつけられたもので、「豊芦原」を略したもので、広大で平坦な農耕地を表していると言われています。

生野駅の構造と利用状況

1973年の移転以前の駅舎の構造は詳しく分かっていませんが、移転後は網走方に向かって左手に1面1線の単式ホームを持つ地上駅でした。かつては、廃バスを改造した待合室がありましたが、2007年頃に撤去されました。遠軽駅管理の無人駅でした。

廃止直前、生野駅は主に豊原地区の住民に利用されていましたが、利用者は非常に少なく、最終的に廃止に至りました。

生野駅周辺

生野駅周辺は、山間部に挟まれた狭い平地の農業地域で、田畑が広がっています。目立った建物はなく、駅近くには人家があり、道路アクセスは容易でした。国道242号線と、北海道北見バスのバス停「豊原54号」も近隣にありました。

隣の駅

隣の駅は、下り方向が生田原駅、上り方向が安国駅でした。

生野駅は、小さなながらも歴史を持つ北海道の駅でした。その歴史と周辺環境を知ることで、北海道の地方の暮らしの一端を垣間見ることができるでしょう。

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