田村一男

田村 一男（たむら かずお）の作品と経歴

田村一男は、1904年12月4日に生まれ、1997年7月10日に亡くなった日本の洋画家です。彼は主に風景画を中心に活動し、その作品には東洋的な感覚を取り入れた油絵が特徴的でした。代表作には「梅雨高原」があり、彼の独自の画風は多くの人々に影響を与えました。田村は、日本芸術院の会員であり、文化功労者としても認知されています。

経歴

田村は東京府で育ち、高等小学校を卒業後、東京市電気局や新聞社で勤務していました。しかし、彼の本当の情熱は絵画にありました。1924年、洋風額縁の先駆者である長尾建吉が経営する磯谷商店に勤めながら、本郷絵画研究所に入所し、岡田三郎助に師事することになります。

1928年、田村は第9回帝展に「赤山は午後」を出品し、これが初めての入選となりました。1931年からは光風会展に出品を続け、1940年には光風会の会員となりました。1942年には昭和洋画奨励賞を受賞し、1946年の第2回日展では「高原初秋」が特選に選ばれました。1950年には第6回日展の審査員を務め、その後も様々な役職を歴任しました。

1954年から1955年には渡欧し、1959年には第2回新日展で「高層湿地」が文部大臣賞を受賞しました。その後、1963年には「梅雨高原」で日本芸術院賞を受賞し、1969年には日展の理事となりました。その後も日展の参事や顧問として活動し続けました。1980年には日本芸術院の会員に選出され、1981年には光風会の理事長を務めるなど、彼の美術界における影響力は増していきました。1992年には文化功労者として表彰されました。

記念展示室

松本市美術館の2階には「田村一男記念展示室」が設けられており、彼のアトリエを再現した展示が行われています。ここでは、田村が使用していた画材や道具、さらに彼の作品も常設展示されており、訪れる人々が彼の創作の足跡を辿ることができます。

作品所蔵先

田村一男の作品は、以下の美術館に所蔵されています。

• - 東京国立近代美術館
• - 東京都現代美術館
• - 日本藝術院会館
• - 静岡県立美術館
• - 富山県立近代美術館
• - 鹿児島市立美術館
• - 茨城県近代美術館
• - 長野県立美術館
• - 松本市美術館
• - 佐久市立近代美術館
• - 康耀堂美術館
• - 茅野市美術館

主な作品集

以下は田村一男に関連する主な作品集です。

• - 『田村一男画集』 朝日新聞社 1982年
• - 『田村一男作品選』 松本市美術館 2002年

外部リンク

• - 田村一男 - 東京文化財研究所
• - 田村一男 - コトバンク

田村一男の作品は、彼の強い意志と感受性が結実したものです。彼の芸術は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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