町尻量基

町尻量基：陸軍軍人としての生涯と功績

町尻量基（まちじり かずもと）は、明治21年（1888年）に生まれ、昭和20年（1945年）に没した日本の陸軍軍人です。彼は、印度支那駐屯軍司令官、化兵監、第6師団長、陸軍省軍務局長など、数々の要職を歴任しました。最終階級は陸軍中将で、勲一等功三級を受章しています。

生い立ちと初期のキャリア

町尻量基は、伯爵壬生基修の四男として誕生し、初めは壬生基綱と名乗っていました。彼は陸軍士官学校（21期）と陸軍大学校（29期）をいずれも優秀な成績で卒業しています。陸軍士官学校の同期には、石原莞爾や飯村穣、百武晴吉といった、後に名を馳せる軍人たちがいました。

その後、子爵町尻量弘の養子となり町尻家に入り、1914年（大正3年）に「量基」と改名しました。同年には賀陽宮邦憲王の第一王女である由紀子女王との結婚が予定されていましたが、延期となり、翌1915年（大正4年）に婚姻しました。

軍人としての昇進

1930年（昭和5年）から侍従武官を務めた後、1932年（昭和7年）に陸軍大佐に進級。1935年（昭和10年）には近衛野砲連隊長に就任しました。1936年（昭和11年）には陸軍省軍務局軍事課長となり、1937年（昭和12年）に陸軍少将に進級すると共に、再び侍従武官に任命されています。

軍務局長と武漢作戦

1937年（昭和12年）から陸軍省軍務局長を務め、1938年（昭和13年）には北支那方面軍参謀副長に転任。同年、第2軍参謀長として武漢作戦に参加しました。しかし、この作戦中に作戦文書を紛失した責任を問われ、停職処分を受けています。

処分後、軍務局長に復帰し、調査部長も兼務。1939年（昭和14年）に陸軍中将に進級し、第6師団長に親補されました。1940年（昭和15年）には勲一等旭日大綬章を受章しています。

後期：化兵監、印度支那駐屯軍司令官

1941年（昭和16年）に教育総監隷下の化兵監に就任し、1942年（昭和17年）には印度支那駐屯軍司令官に進みました。1944年（昭和19年）に参謀本部附となり、1945年（昭和20年）に予備役へ編入。同年12月10日に亡くなりました。

葬儀と栄典

町尻量基の葬儀には勅使が遣わされ、祭粢料が下賜されました。彼は生前、勲一等旭日大綬章を受章しています。

親族

町尻量基は、華麗なる一族の一員でもありました。実父は伯爵で東京府知事、平安神宮宮司も務めた壬生基修。実兄も伯爵で陸軍少将の壬生基義。養父は子爵の町尻量弘。妻は賀陽宮邦憲王の第一王女である由紀子女王です。

長男は町尻量利、長女は講談社社長の妻となったもののすぐに死別した野間登喜子。次男はキングレコード社長の町尻量光、三男は小原量福、四男は小泉量豊です。

エピソード：作戦文書紛失事件と易占

町尻量基は、作戦文書紛失事件で処分を受けた際、易占家の加藤大岳に相談を持ちかけました。加藤は易占の結果から、文書の発見は困難であると判断し、紛失に対する処置を速やかに講じるよう助言したといいます。

まとめ

町尻量基は、陸軍軍人として輝かしいキャリアを築きましたが、作戦文書紛失事件という不運にも見舞われました。しかし、彼は数々の要職を歴任し、日本の軍事史にその名を刻んでいます。

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