畜産副産物

畜産副産物とは、家畜から食肉を生産する過程で生じる、食用に適さない部位の総称です。

副産物と副生物の違い

一般社団法人日本畜産副産物協会では、畜産副産物を以下のように定義しています。

副産物: 生体から枝肉を取り除いた後に残る部分、および枝肉から除去された骨。
副生物: 副産物から原皮を除いたもの。

副生物には、頭部、骨、血液、脂肪、内臓などが含まれます。さらに、副生物は可食臓器類と非可食臓器類に分類されます。可食臓器類については、一般的に「もつ」として知られています。

生体重量に占める副産物の割合

家畜の種類によって、副産物の割合は異なります。以下は、各家畜における副産物の割合を示したものです。

牛:
生肉: 37.6%
食用内臓: 8.5%
非食用内臓: 8.7%
骨: 12.7%
脂: 6.6%
皮: 8.5%
血液: 2.4%
その他: 15%
豚:
生肉: 53.8%
食用内臓: 8.5%
非食用内臓: 7.2%
骨: 10.7%
脂: 7%
皮: 9.5%
血液: 3%
鶏:
生肉: 50%
骨: 28%
内臓: 7%
羽毛: 5%
脂: 6%
血液: 4%

生産量と利用

畜産副産物の生産量は相当な量にのぼります。2006年度には、牛の原皮が約117万頭分、豚の原皮が約1529万頭分生産されました。2007年度の推計では、副生物の生産量は牛で約4万7千トン、豚で約13万トンに達しています。

これらの副産物は、様々な用途に利用されています。

原皮: 各種皮革製品（靴、鞄、衣料など）の原料
油脂: 食用（ラード、ヘット）や、石鹸、飼料などの原料
搾りかす（肉粉、蛋白）: 化製場でレンダリング処理され、ペットフード、飼料、肥料の原料
鶏の羽毛: フェザーミールとして肥飼料用蛋白

このように、畜産副産物は、食料だけでなく、私たちの生活に欠かせない様々な製品の原料としても活用されています。

特定危険部位と注意点

牛の脳や脊髄など、特定危険部位は、牛海綿状脳症（BSE）の感染リスクがあるため、焼却処分されます。また、畜産副産物は、本来、必須の製造原料ではありませんが、安価に流通しているため、様々な製品に利用されています。

その他の利用例

畜産副産物は、建材用合板、道路用合材、自動車用タイヤ、医薬品など、非常に広範囲な分野でも利用されています。

関連項目

屠殺
屠畜場
もつ
肉骨粉
化製場
レンダリング (畜産)
食品廃材

外部リンク

畜産副産物とは（社団法人日本畜産副産物協会）
* 東京都中央卸売市場食肉市場

このように、畜産副産物は、食肉生産の過程で発生する様々な部位であり、その有効活用は、資源の有効活用という観点からも非常に重要です。

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