白井小助

白井小助（しらい こすけ）

白井小助は、文政9年（1826年）に生まれ、明治35年（1902年）に没した幕末の志士です。萩藩の寄組である浦靱負の家臣として、激動の時代を駆け抜けました。諱は素行、号は飯山と称しました。また、白井小輔、白井小介とも呼ばれていました。

生涯

儒学者であった父・白井弥蔵の長男として生まれた小助は、嘉永年間に江戸へ遊学し、佐久間象山から砲術、斎藤弥九郎から剣術、安積艮斎から文学を学びました。特に吉田松陰とは親交が深く、松陰が投獄された際には金銭を差し入れるなど、その活動を支えました。

文久2年（1862年）、高杉晋作や久坂玄瑞らと共に英国公使館焼き討ち事件に参加し、尊王攘夷運動に身を投じました。翌年には奇兵隊に入隊し、文久4年（1864年）には外国艦との戦いで雷管破裂事故により右目を失明するという悲劇に見舞われましたが、その後も戦い続けました。

慶応元年（1865年）には真武隊参謀を経て、第二奇兵隊総管に就任。慶応2年（1866年）の第二次長州征討では大島口の戦いに参加し、戊辰戦争では参謀として北越戦争に従軍するなど、各地で活躍しました。戊辰戦争後、奇兵隊軍監に就任しました。

明治維新後は、周防国熊毛郡宇佐木に隠居し、飯山塾を開いて後進の育成に力を注ぎました。明治33年（1900年）には、その功績が認められ従五位に叙せられました。

史跡

現在、山口県熊毛郡平生町田布路木には「白井小介顕彰碑」が建立されており、彼の墓と飯山塾跡も近くに残されています。また、山口県柳井市には白井小助の屋敷跡が残っており、当時の面影を偲ぶことができます。

登場作品

司馬遼太郎の短編小説「長州人の山の神」では、白井小助がモデルの一人として描かれています。この作品は『小説新潮』（1972年12月号）に掲載され、後に『司馬遼太郎歴史の中の邂逅6』（中公文庫、2011年）に収録されました。

脚注

平生町役場『平生町史』(1978年)
奈良本辰也『男たちの明治維新』（文春文庫、1980年）
『国史大辞典』（吉川弘文館、1997年）
『幕末維新大人名事典（上）』（新人物往来社、2010年）
* 『幕末維新人物事典』（学研、2010年）

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