白井弓子

白井弓子（しらい ゆみこ）

1967年3月15日生まれの日本の女性漫画家。愛媛県出身で、京都市立芸術大学美術学部では油彩画を専攻していました。同人誌での活動を経て、商業誌デビューを果たしました。その作品は、緻密な作画と独特の世界観が特徴で、SF、ファンタジー、ミステリーなど幅広いジャンルで活躍しています。

経歴

白井弓子は、同人誌として発表していた『天顕祭』が2007年に第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で奨励賞を受賞したことをきっかけに、注目を集めました。翌2008年にはサンクチュアリ・パブリッシングから商業誌として出版され、本格的な漫画家としてのキャリアをスタートさせます。

2009年からは『月刊IKKI』（小学館）にて『WOMBS（ウームズ）』の連載を開始。同作は、2010年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門の審査委員会推薦作品に選ばれ、2017年には第37回日本SF大賞を受賞するなど、白井弓子の代表作の一つとなりました。

また、『ラフナス』は2013年から2015年にかけて『月刊アクション』（双葉社）で連載され、こちらも2015年の文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品に選定されています。

その他、『ミステリーボニータ』（秋田書店）では『機械仕掛けの神話』シリーズを不定期に連載し、その後『イワとニキの新婚旅行』として単行本化されました。近未来の大阪を舞台にした『O(オー) 環状結界都市』は、タイトルの判読性の問題から途中で『大阪環状結界都市』に改題され、単行本化されています。2020年からは、『WOMBS』の前日譚となる『WOMBS CRADLE』の連載をwebアクションにて開始しました。

作風と影響

白井弓子の作品は、その緻密な作画と、時に幻想的で、時に残酷な独特の世界観が特徴です。SFやファンタジーの要素を取り入れながら、人間の内面や社会の深層を描き出す作品が多く、読者に深い印象を与えます。

影響を受けた作家として、安彦良和、萩尾望都、大島弓子、萩岩睦美などが挙げられます。これらの作家たちの影響を受けながらも、白井弓子独自のスタイルを確立しています。

また、デジタル作画も早くから取り入れており、漫画制作の後半工程はPCで行い、主に『Painter』と『Photoshop』を使用しています。

人物像

高校時代は美術部に所属し、『ドム』というあだ名で呼ばれていたそうです。高校時代の美術の恩師からは、現在でも『ドム』と呼ばれているとのことです。

同人活動も熱心に行っており、サークル『メタ・パラダイム』で活動。コミティアなどの同人誌即売会にも積極的に参加しています。

受賞歴

2007年：第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞『天顕祭』
2010年：第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品『WOMBS（ウームズ）』
2015年：第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品『ラフナス』
2017年：第37回日本SF大賞『WOMBS（ウームズ）』
2017年：愛顔のえひめ文化・スポーツ賞文化部門（個人）

主な作品

書籍
『天顕祭』（サンクチュアリ・パブリッシング）
『TENKEN』（英語訳版、ONE PEACE BOOKS）
『WOMBS（ウームズ）』（小学館）全5巻
『白井弓子初期短篇集』（小学館）
『ラフナス』（双葉社）全2巻
『イワとニキの新婚旅行』（秋田書店）
『大阪環状結界都市』（秋田書店）全3巻
『WOMBS CRADLE』（双葉社）全2巻
アンソロジー
『コミック☆[[星新一]] 親しげな悪魔』（秋田書店） - 星新一原作「ひとつの装置」の作画を担当
イラスト担当作品
風野潮『いとしのドリー』（岩崎書店）
『地獄からもどった黒ねこ』（岩崎書店） - 一部漫画作品を担当
上橋菜穂子『狐笛のかなた』（理論社）

外部リンク

公式ウェブサイト - 弓工房
Yumiko Shirai's portfolio - wixsite.com

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