百済王理伯

百済王 理伯について

百済王理伯（くだらのこにきし りはく）は、奈良時代に活躍した貴族であり、主に中央政権での官職を歴任しました。彼の官位は最終的に従四位下にまで達し、それに伴いさまざまな地方官をも務めました。彼の経歴を通じて、当時の政治情勢や地方行政の運営における役割について理解を深めることができます。

経歴の詳細

理伯の経歴は、持続的な昇進を示しています。彼は孝謙天皇の時代、天平勝宝6年（754年）2月に従五位下に叙任され、その後は摂津亮に任命されました。これは、地方行政における重要な役割を担うことを意味しています。

その後、淳仁朝でも地方官を務め、特に天平宝字6年（762年）には肥後守として地方政治に関与しました。天平神護2年（766年）に従五位上に昇進し、続けて天平神護3年（767年）には正五位下、同年中に摂津大夫として新たな経歴を積んでいきます。さらに、神護景雲4年（770年）には従四位下に昇格し、地方官職から京官への移行を果たしました。

光仁天皇の時代に入ると、宝亀2年（771年）には伊勢守として重要な役職を担当した後、宝亀5年（774年）には右京大夫に昇進します。しかし恵まれたキャリアも、宝亀7年（776年）6月16日に彼が亡くなることで終止符を打たれました。

官歴の詳細

理伯に関する官歴は、『続日本紀』に詳細に記録されています。彼の移動や昇進は以下のように記されています。

• - 時期不詳：正六位上
• - 天平勝宝6年（754年） 2月13日：従五位下、4月5日：摂津亮
• - 天平宝字6年（762年） 正月9日：肥後守
• - 天平神護2年（766年） 11月5日：従五位上
• - 天平神護3年（767年） 正月18日：正五位下、8月29日：摂津大夫
• - 神護景雲4年（770年） 7月20日：従四位下
• - 宝亀2年（771年） 7月23日：伊勢守
• - 宝亀5年（774年） 3月5日：右京大夫
• - 宝亀7年（776年） 6月16日：卒去（右京大夫従四位下）

家族

理伯の家族についてもいくつかの事実がわかっています。彼の父は百済王敬福であり、母についての情報は残されていません。子供たちには男子が一人、百済王俊哲（?-795）、女子が3人おり、百済王明信（?-815）は藤原継縄の妻となり、百済王明本は桓武天皇の後宮に入ります。また、百済王恵信（?-842）も桓武天皇の後宮に仕えました。

参考文献

理伯に関する情報は、いくつかの歴史資料に基づいています。これらの文献には、宇治谷孟の『続日本紀（中）』や『続日本紀（下）』、宝賀寿男の『古代氏族系譜集成』が含まれています。彼の生涯は、当時の日本における地方官の権限や役割を理解する上で、重要な素材となるでしょう。

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