百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊

概要

『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』は、2001年8月10日にリリースされたオリジナルビデオ作品です。本作は、『百獣戦隊ガオレンジャー』の単独作品でありながら、スーパー戦隊VSシリーズの1つとしても位置づけられています。

スーパー戦隊シリーズ25作目を記念して制作された本作は、スーパー戦隊Vシネマの第8弾にあたります。物語では、ビッグワン（『ジャッカー電撃隊』）、レッドファルコン（『超獣戦隊ライブマン』）、ギンガブルー（『星獣戦隊ギンガマン』）、ゴーイエロー（『救急戦隊ゴーゴーファイブ』）、メガピンク（『電磁戦隊メガレンジャー』）という歴代戦士による「ドリーム戦隊」が結成され、ガオレンジャーと共闘します。当時、人気上昇中だった俳優・照英が、ギンガブルー・ゴウキ役として再び登場したことも話題となりました。

本作は、総集編的な要素も持ち合わせており、アクションシーンでは、歴代戦士たちが各戦隊ごとではなく、個々で活躍する構成となっています。クライマックスでは、歴代のレッドヒーロー24人全員が勢揃いするという、ファンにはたまらない展開が用意されています。また、名乗りを上げない戦隊も多く、レッドターボは急遽現地で変身し、音声は変身時のものを流用、『光戦隊マスクマン』のレッドマスクは第1話の映像を音声のみ変更して使用されています。

巨大戦では、全レッドが操縦するメカが参戦します。『電子戦隊デンジマン』のデンジファイターは、本作で初めて戦闘シーンが描写されました。また、『未来戦隊タイムレンジャー』のタイムレッドのマシンとして登場したのは、タイムジェット1ではなく、タイムファイヤーから譲り受けたブイレックスです。バンク映像ではあるものの、メカ軍団の司令官として、『超力戦隊オーレンジャー』の三浦参謀長と『秘密戦隊ゴレンジャー』の新命明が登場しており、宮内洋は一人三役を演じました。

スーパー戦隊Vシネマおよびスーパー戦隊VSシリーズの中では、最長となる72分の作品です。また、全員名乗り時に「我ら、スーパー戦隊!」というフレーズが入ったのは、本作が初めてです。前作まではDVDの特典映像にバトルセレクションが収録されていましたが、本作から廃止されました。

脚本を担当したのは、『ガオレンジャー』の脚本家の一人である赤星政尚で、他のスーパー戦隊作品には関わっていません。

2020年11月8日には、第33回東京国際映画祭の一環として、『劇場版 百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える』と共に、東京ミッドタウン日比谷ステップ広場で上映されました。上映後には、金子昇、堀江慶、柴木丈瑠、酒井一圭が参加したオンライントークも開催されました。

あらすじ

オルグと戦うガオレンジャーの前に、はぐれハイネス・ラクシャーサが復活します。ラクシャーサの幻術により、ガオイエロー、ガオブルー、ガオブラックは戦士の魂を奪われてしまいます。唯一幻術に惑わされなかったガオレッドは、ガオホワイトに3人を連れて逃げるように告げ、1人でラクシャーサに立ち向かいます。

一方、残された4人のガオレンジャーの前に、かつて悪と戦った歴代スーパー戦隊の5人が現れます。先輩戦士たちに戦士の魂を叩き込まれた3人は、再び戦う意思を取り戻し、ガオレンジャーとスーパー戦隊、そして歴代レッド戦士も駆けつけ、ラクシャーサに立ち向かうことになります。

登場キャラクター

『[百獣戦隊ガオレンジャー]]』の登場キャラクターについては、[百獣戦隊ガオレンジャー#登場人物 を参照してください。ゲストキャラクターについては、各リンク先を参照してください。

番場 壮吉 / ビッグワン
天宮 勇介 / レッドファルコン
巽 ダイモン / ゴーイエロー
ゴウキ / ギンガブルー
今村 みく / メガピンク

オリジナルキャラクター

はぐれハイネス・ラクシャーサ
テトムも恐れるほどの伝説のはぐれハイネス。一人称は「俺」。強大すぎる邪悪な衝動を自らの身体に蓄積した結果、角を傷つけ長い眠りについていました。自身の邪悪な力でツエツエやヤバイバをはじめとするオルグ全員を強化（強化されたオルグは角が金色になる）させます。また、髪の毛のような触手を伸ばし、対象者を幻想世界に引き込み、断末魔の幻に打ちのめされた強い戦士から「戦士の魂」を喰らい、さらに強化する能力を持っています。オルグシードなしに巨大化も可能です。ガオレンジャーの破邪百獣剣を受けた後に巨大化し、歴代ロボの力でパワーアップしたガオキングのスーパーアニマルハートで倒されましたが、保険として与えていたツエツエとヤバイバのエネルギーを奪い復元し、ガオレンジャーとドリーム戦隊を追い詰めます。しかし、スーパー戦隊魂を奮い立たせたガオレンジャーのガオレンジャーストームを受け、消滅しました。ガオレンジャーはテトムに「はぐれハイネスを倒してきた」と報告しますが、気絶していたテトムは「はぐれハイネスが復活した夢を見ていた」と全く信じませんでした。
名称はインド神話に登場する鬼神ラクシャーサに由来し、デザインモチーフは髪の毛です。スーツは『ガオレンジャー』本編に登場した百鬼丸を改造したものです。

再生オルグ軍団
ラクシャーサの力で蘇ったオルグたちで、実体を持っています。タービンオルグ、プラグマオルグ、タイヤオルグ、シグナルオルグ、ブルドーザーオルグの5名が復活しましたが、ドリーム戦隊には全く歯が立たず倒されました。

幻想世界内のオルグたち
ラクシャーサが作り出した幻想世界にいたオルグたち。実体は持たないものの、戦うことは可能です。ウエディングドレスオルグ、帆船オルグ、携帯電話オルグが登場し、幻想世界内でガオレッドと戦いますが、これまでの戦いを思い出したガオレッドに圧倒され、ガオメインバスターで倒されました。

強化オルゲット
ラクシャーサに強化され、コブが金色の角になったオルゲット。ガオブルーと同等の技や、ガオブラック以上のパワーを誇り、一度は彼らを打ち破りました。しかし、この強さはラクシャーサに見せられた幻に過ぎず、ドリーム戦隊には全く相手にならず、戦士の魂を取り戻した岳、海、草太郎を前に為す術もなく叩きのめされました。

装備・戦力

キャプチャースナイパーフルパワー
メガピンクの技で、バトルライザーの03モードでキャプチャースナイパーをパワーアップさせたものです。

ガオレンジャーストーム
再生したラクシャーサを倒した必殺技です。スーパー戦隊魂を受け継いだガオレンジャーが上空にエネルギー球を作り出し、レッドが他の4人の腕を組んだスクラムを足場にしてジャンプ、「邪鬼浄散」の掛け声と共にオーバーヘッドキックでエネルギー球を蹴り放ちます。
その名称や技の演出は、『秘密戦隊ゴレンジャー』の必殺技「ゴレンジャーストーム」を彷彿とさせるものです。

キャスト

獅子走 / ガオレッド - 金子昇
鷲尾岳 / ガオイエロー - 堀江慶
鮫津海 / ガオブルー - 柴木丈瑠
牛込草太郎 / ガオブラック - 酒井一圭
大河冴 / ガオホワイト - 竹内実生
テトム - 岳美
ツエツエ - 斉藤レイ
番場壮吉 / ビッグワン - 宮内洋 『ジャッカー電撃隊』
ゴウキ / ギンガブルー - 照英 『星獣戦隊ギンガマン』
今村みく / メガピンク - 東山麻美 『電磁戦隊メガレンジャー』
巽ダイモン / ゴーイエロー - 柴田賢志 『救急戦隊ゴーゴーファイブ』
天宮勇介 / レッドファルコン - 嶋大輔 『超獣戦隊ライブマン』

スーツアクター

ガオレッド、ギンガブルー - 福沢博文
竹内康博
ガオブルー - 今井靖彦
ガオブラック - 日下秀昭
ガオホワイト - 蜂須賀祐一
メガピンク - 中川素州
石垣広文
メガピンク - 神尾直子
ガオイエロー - 三村幸司
藤榮史哉
中島俊介
レッドファルコン - 新堀和男
橋本恵子
小倉敏博
杉本泰治
三住敦洋

ノンクレジット

ビッグワン - 岡本美登
ビッグワン - 高岩成二
ギンガブルー - 押川善文
ゴーイエロー - 伊藤慎
アカレンジャー - 谷口正洋

声の出演

ヤバイバ - 坂口候一
ウエディングドレスオルグ - 江川央生
帆船オルグ - 宇垣秀成
携帯電話オルグ - 津久井教生
タイヤオルグ - 塩野勝美（ノンクレジット）
オルゲット - 塩野勝美、大村亨、穴井勇輝（ノンクレジット）
ラクシャーサ - 飯塚昭三
ナレーション - 増岡弘

スタッフ

原作 - 八手三郎、石ノ森章太郎
脚本 - 赤星政尚
プロデューサー - 高橋由佳（テレビ朝日）、日笠淳・加藤和夫（東映）、矢田晃一（東映エージエンシー）
製作 - テレビ朝日、東映ビデオ、東映、東映エージエンシー
アクション監督 - 竹田道弘
音楽 - 中川幸太郎
撮影 - 松村文雄
計測 - 佐々木伸敏
助監督 - 福島耕二
特撮監督 - 佛田洋
プロデューサー補 - 横塚孝弘
監督 - 竹本昇

音楽

本作では、VSシリーズで初めて専用のエンディングテーマが用意されました。

オープニングテーマ「ガオレンジャー吼えろ!!」
作詞：桑原永江 / 作・編曲：中川幸太郎 / 歌：山形ユキオ / コーラス：高尾直樹、佐々木久美、斉藤妙子
エンディングテーマ「燃えろ!スーパー戦隊魂!!」
作詞：桑原永江 / 作・編曲：亀山耕一郎 / 歌：水木一郎、堀江美都子

挿入歌

戦隊名などが入らない楽曲を中心に選曲されています。いずれもノンクレジットです。

「セクシャル・レディ」
作詞：吉田健美 / 作曲：加瀬邦彦 / 編曲：田中公平 / 歌：石渡マキ
「青春サーキット」
作詞：洲崎千恵子 / 作曲・編曲：出口雅生 / 歌：朝川ひろこ
「Blue Togetherness」
作詞：冬杜花代子 / 作曲・編曲：矢野立美 / 歌：宮内タカユキ
「俺のハートは夢じかけ」
作詞：八手三郎 / 作曲・編曲：京建輔 / 歌：MoJo
「心よ しなやかに舞え!」
作詞：松本一起 / 作曲：小杉保夫 / 編曲：米光亮 / 歌：佐藤健太、こおろぎ'73
「夢の翼を」
作詞：山川啓介 / 作曲：渡辺宙明 / 編曲：いちひさし / 歌：串田アキラ
「超獣戦隊ライブマン」
作詞：大津あきら / 作曲：小杉保夫 / 編曲：藤田大土 / 歌：嶋大輔
「五つの心でファイブロボ」（インストゥルメンタル）
作曲：小杉保夫 / 編曲：吉田明彦
「スペードエース若き獅子」（インストゥルメンタル）
作曲・編曲：渡辺宙明

メディア

2001年8月10日 - レンタル開始。
2001年 - VHS発売。
2001年12月 - DVD発売。
2016年3月23日 - BD発売（スーパー戦隊V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray BOX 1996-2005に収録）。
2019年2月6日 - BD分割発売開始（スーパー戦隊 V CINEMA&THE MOVIE Blu-ray 2001に収録）。
2019年7月21日 - 『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』と同時収録の廉価版DVD発売。

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