百草丸

百草丸について

百草丸は、ミカン科の落葉高木であるキハダの内皮から抽出されるオウバクエキスを主成分とした、胃腸薬です。主に長野県西部で製造されている、黒色の丸剤で、苦味健胃薬として知られています。古くから製造されていたオウバクエキスを配合した板状の胃腸薬「百草」を、より服用しやすいように改良したものです。

百草丸は、製造元によって配合されている生薬が異なりますが、主成分はキハダの内皮から抽出されるオウバクエキスです。代表的な商品としては、「御岳百草丸」（長野県製薬）や「日野百草丸」「御嶽日野百草丸」「百草丸プラス」（日野製薬）などがあります。

3歳以上から服用でき、1日に3回、食前または食後に水または白湯で服用します。成人（15歳以上）は1回20粒と多めですが、直径約4mmの小粒なので飲みやすいでしょう。苦味健胃薬であるため、オブラートなどに包まず、生薬特有の苦味や香りを感じながら服用することが推奨されています。

百草丸の効果・効能

百草丸は、以下の症状に効果・効能があります。

食べ過ぎ
飲み過ぎ
胸やけ
胃弱
食欲不振（食欲減退）
消化不良
胃部・腹部膨満感
もたれ
胸つかえ
はきけ（むかつき、胃のむかつき、二日酔・悪酔のむかつき、嘔気、悪心）
嘔吐

百草丸の成分

御岳百草丸

成人の1日服用量である60粒中に、以下の成分が含まれています。

オウバクエキス：1600mg（原生薬換算量2240mg）
日局ゲンノショウコ末：500mg
日局ビャクジュツ末：500mg
日局センブリ末：35mg
日局コウボク末：700mg

添加剤として、薬用炭、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレン（105）、ポリオキシプロピレン（5）、グリコールが使用されています。

日野百草丸

成人の1日服用量である60粒中に、以下の成分が含まれています。日野百草丸には、粘膜修復成分も配合されています。

オウバクエキス：1800mg（原生薬換算量2300mg）
オウバクチンキ：33mg（原生薬換算量60mg）
日局ゲンノショウコ末：500mg
日局ビャクジュツ末：500mg
ガジュツ末：500mg
日局エンゴサク末：350mg
日局リュウタン末：100mg
日局センブリ末：16mg

添加物として、カルメロースナトリウム、タルク、アラビアゴム末、薬用炭が使用されています。

百草丸の歴史

オウバクエキスまたはオウバクを主成分とした胃腸薬は、古くから全国各地で製造されてきました。これらの伝統的な医薬品は、現在では「伝統薬」とも呼ばれています。

オウバクを主成分とする主な製品名としては、以下のものがあります。

長野県（御嶽山）：日野百草丸、御岳百草丸、御嶽山百草、御嶽百草
奈良県（大峰山、吉野山）：陀羅尼助丸、フジイ陀羅尼助丸
愛媛県（石鎚山）：石鎚山陀羅尼丸
鳥取県（大山）：大山煉熊丸

関連情報

百草
陀羅尼助
木曽御嶽山
木曽御嶽神社王滝口
木曽御嶽神社黒沢口
御嶽神社

外部リンク

長野県製薬・百草丸の歴史
日野製薬・百草丸とは

もう一度検索