盛合家住宅

盛合家住宅は、岩手県宮古市津軽石に位置する歴史的な建造物です。この住宅は、主屋が国の登録有形文化財に、庭園が国の登録記念物（名勝地関係）にそれぞれ登録されており、その歴史的、文化的価値が認められています。

概要

盛合氏は、江戸時代中期から後期にかけて、漁業や廻船業で財を成した豪商です。特に津軽石川での鮭漁は盛合家の繁栄を支える重要な事業でした。盛合家がその名を名乗るようになったのは安永3年（1774年）以降とされています。屋敷は、河口に近い広大な敷地に建てられ、門、主屋、離れ、4棟の蔵、そして美しい庭園が今も残されています。また、この屋敷は、享和元年（1801年）に測量調査のために訪れた伊能忠敬も滞在した場所としても知られています。

建築

屋敷の建築は、商家造りの御下居や常居と、武家造りの玄関、小座敷、次の間、御座敷が組み合わさった独特の構造をしています。座敷棟に土間棟が矩折れに付く切妻造鉄板葺きで、敷地の中央に南面して建っています。主座敷は12畳半の広さで、床の間、違棚、付書院を備え、二方に巡る土庇を通して庭園を望むことができます。また、次の間、上便所、浴室も当時のまま保存されています。これらの建築的価値が評価され、2007年10月2日に国の登録有形文化財に登録されました。

庭園

庭園は、寛政9年（1797年）に盛岡藩主南部利敬が領内を巡視した際、この居宅が宿所として使用されたことを機に改修され、完成しました。池は石組で護岸され、中央には島が設けられており、かつては川魚が放たれていました。池の背後には小高い築山が築かれ、池の縁から頂上にかけて大きな景石が配置されています。また、枯滝の石組も見られます。庭園には、イチイ、クロマツ、コウヤマキなどの樹木が植えられており、池の周囲にはサツキが植えられています。この庭園の美しさと歴史的価値が認められ、2012年1月24日に国の登録記念物（名勝地関係）に登録されました。

交通アクセス

盛合家住宅へのアクセスは、以下の通りです。

三陸沿岸道路宮古南ICより車で3分
三陸鉄道リアス線 津軽石駅より徒歩3分

関連項目

登録有形文化財一覧
前川善兵衛 – 江戸時代、三陸地方を根拠地にした廻船問屋

外部リンク

盛合家住宅主屋
盛合氏庭園
* 文化遺産オンライン

もう一度検索