盧文弨

盧文弨の生涯と業績

概要

盧文弨（ろ ぶんしょう、1717年 - 1795年）は、清時代の考証学者として特に知られ、漢籍の校勘や出版において顕著な貢献を果たしました。彼の存在は、同時代の学者たちとの交流や多くの書籍の収集・校正・出版を通じて、後の学者たちに大きな影響を与えました。

生い立ち

彼の生まれ故郷は紹興府余姚県ですが、祖先の時代に杭州府仁和県に移住しました。1752年、盧文弨は探花という最高位の成績で進士に合格し、その後は翰林院の編集者や侍読学士、湖南学政などの役職を経験しました。しかし、1768年には官職を辞し、江浙地域にある書院で教壇に立つことを選びました。

交流と影響

彼は同時代の名士である戴震や段玉裁とも交流を持ち、学問の深化に努めました。盧文弨は多くの漢籍を　収集し、その校正作業を行い、出版まで手掛けたことにより、多くの後続の学者にとって重要な資源を提供しました。

特に日本より輸入された山井鼎の著作『七経孟子考文』に感銘を受け、その後『十三経注疏』の校勘にも着手しました。盧文弨の死後、阮元は彼の志を継ぎ、『十三経注疏』を再版し、校勘記も作成しました。

主要な著作

盧文弨の名を広めるきっかけは、彼が出版した『抱経堂叢書』にあります。この叢書は263巻からなり、以下の重要な著作が収められています。

• - 『経典釈文』
• - 『逸周書』
• - 『白虎通』
• - 『方言』
• - 『荀子』
• - 『新書』
• - 『春秋繁露』
• - 『顔氏家訓』
• - 『西京雑記』
• - 『独断』

また、『抱経堂叢書』には以下の書物も含まれています。

• - 『群書拾補』初編（39巻）：古書に引用されている異文や佚文を集めたもの。
• - 『抱経堂文集』（34巻）：彼自身による序文や書簡などの文集。

影響の持続

盧文弨の業績は、ただ彼の時代に限られたものではなく、後世の学問においても非常に重要な位置を占めています。彼の作品は今日においても多くの研究者や学生によって利用され、その影響力は今もなお健在です。

参考文献

• - 『清史稿』列伝268・儒林二
• - 高橋智「慶長刊論語集解の研究」『斯道文庫論集』第30巻、1996年、107-277頁。

外部リンク

• - 文弨之印 - 国文学研究資料館（2021年5月21日閲覧）

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