目抜き通り (椎名林檎とトータス松本の曲)

「目抜き通り」

「目抜き通り」（めぬきどおり、英題：The Main Street）は、シンガーソングライターの椎名林檎とロックバンド・ウルフルズのボーカリストであるトータス松本による音楽作品です。この楽曲は、2017年4月20日に銀座でオープンした大型商業施設「GINZA SIX」のテーマ曲に採用され、同日にユニバーサルミュージックのEMI Recordsから配信限定のデジタル・ダウンロードシングルとしてリリースされました。

製作背景

「目抜き通り」は、「NEW LUXURYを世界に向けて発信する」というコンセプトを背景に制作されました。プロジェクトの依頼を受けた椎名は、銀座の魅力を新たに表現するテーマソングを作成し、トータス松本とのデュエットを実現させました。彼女は松本に共演を依頼し、松本も快く引き受けたことで、2人の声と銀座を融合させた曲が形作られました。最初はコマーシャルソングとしての制作が進められていましたが、松本との共演を通じて意気込んだ椎名はフルサイズの楽曲も完成させ、そのクオリティの高さから急遽配信が決まったのです。

制作

曲の制作には、斎藤ネコが指揮を務め、彼がこれまで何度も椎名プロダクトに参加してきた演奏家たちが集まりました。多彩な楽器による繊細なアンサンブルが同時に録音されています。

音楽性

「目抜き通り」の音楽スタイルは、アメリカン・ソウルの影響を感じさせない独自のものですが、トータス松本はマーヴィン・ゲイをルーツの一つに挙げており、椎名もまた彼を尊敬しています。曲の構成は主旋律が4小節ごとに変化し、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルのデュエットを意識した作りになっています。このように、モータウン風の進行感が随所に見られ、椎名のパートもタミー・テレルを意識したものになっています。

スペシャルムービー

この楽曲のために制作されたスペシャルムービーは、銀座中央通りを舞台にし、児玉裕一が監督を担当しました。映像では、椎名と松本が銀座の街を象徴するキャラクターとして登場し、斎藤ネコもオーケストラの指揮者として出演しています。さらに、SOIL&PIMP SESSIONSのメンバーも登場するなど豪華な顔ぶれが揃いました。振付はPerfumeの振付師であるMIKIKOが担当しています。

ミュージックビデオ

当初、ミュージックビデオは存在しませんでしたが、配信から約2年後にアルバム『三毒史』の発売に合わせて新たに撮影されました。この新しい映像も児玉裕一が監督し、2019年6月11日に公開されました。音源は『三毒史』に収録されたアルバムバージョンが使用されています。

演奏

• - 歌: 椎名林檎とトータス松本
• - 指揮者: 斎藤ネコ
• - ピアノ: 笹路正徳
• - ドラム: みどりん
• - ベース: 鳥越啓介
• - ラテンパーカッション: 川瀬正人
• - トランペット: 西村浩二、横山均、菅坡雅彦
• - トロンボーン: 村田陽一、佐野聡、山城純子
• - アルトサックス: 竹野昌邦
• - テナーサックス: 庵原良司
• - バリトンサックス: 吉田治
• - コンサートマスター: グレート栄田
• - バイオリン: 滝沢幸二郎、押鐘貴之、入江茜、矢野晴子、丸山明子、松本亜土、小倉達夫、桑田穣、越川歩、山本大将、牛山玲名、中島優紀、島田光理
• - ヴィオラ: 古川原裕仁、大沼幸江、伴野剛、徳高真奈美
• - チェロ: 笠原あやの、前田善彦、向井航、林田順平
• - コントラバス: 斎藤輝彦、竹下欣伸
• - ティンパニ＆グロッケンシュピール: 髙田みどり
• - シロフォン＆シンバル: 大家一将

レコーディング及びミキシングは井上雨迩、アシスタント・エンジニアは柏倉吉紀、畠山耕平が担当し、マスタリングは渡辺昭人が行いました。

このように「目抜き通り」は、楽曲の制作から映像作品に至るまで、銀座の魅力を存分に引き出した多彩な要素が詰まった作品です。

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