相模三浦氏

相模三浦氏の歴史

相模三浦氏（さがみみうらし）は、中世の武家の一族として知られます。その起源は、三浦氏の宗家が滅亡した後に相模国三浦郡で勢力を再建したことにあります。特に、鎌倉時代の宝治元年（1247年）に発生した宝治合戦では、北条氏の執権の下で三浦氏一族が壊滅的な打撃を受けました。

その後の再興

厳しい状況の中、三浦氏の傍流として知られる佐原氏から派生した三浦盛時が家督を再興しました。彼は北条氏の御内人として活動し、時にはその支配に黙従する一方で、重要な役割を果たしました。元弘年間において、足利尊氏が鎌倉幕府に対抗して立ち上がると、三浦氏当主であった三浦時継はその息子である高継と共に足利方に従い、戦闘に参加しました。

鎌倉幕府の崩壊後

鎌倉幕府の崩壊後に築かれた建武政権下では、時継は相模国や武蔵国の地頭に任命され、地域の統治を担当していました。しかし、建武2年（1335年）の中先代の乱では北条方に加担し、その結果、捕らえられて処刑されてしまいます。彼の息子、高継は尊氏に仕え、多くの戦闘で功績を挙げました。

南北朝の混乱

南北朝の分裂期に、関東地域は混乱が極まりましたが、高継とその子高通は、北畠顕家の軍に追われた足利氏の義詮を保護するなど、北朝の側に立つ行動を取り続けました。この功績によって、彼らは相模国の守護に任命されました。しかし、高通は後に観応の擾乱で直義方となり、さらなる混乱を引き起こしました。最終的に尊氏に成敗され、相模の守護職を剥奪されました。

貞治年間の回復

その後、足利基氏の時代には、高通が赦免され、相模国の守護として再び任命されました。高通の子、高連もその地位を継ぎ、25年間にわたり相模の守護を務めました。しかし、この頃には既に上杉氏と敵対する関係にありました。

永享の乱と新しい時代

室町時代中期には、三浦高明が上杉禅秀の乱に関与し、鎌倉公方足利持氏によって相模守護の地位を奪われました。このことで、三浦氏は大きな打撃を受けましたが、永享10年（1438年）、高明の子である時高は持氏を裏切って鎌倉府を攻撃し、再び勢力を盛り返します。

享徳の乱と最期

その後、享徳の乱などの新たな争いにおいて、時高は重要な役割を果たし、相模国を広く支配しました。しかし、時高が長い間嗣子に恵まれなかったため、養子を迎えます。最終的には、明応3年（1494年）に新井城で高救に攻められ、三浦氏は滅亡へと追い込まれました。義同が当主となった後、彼は扇谷上杉との和解を図りますが、再び戦闘に巻き込まれました。

伊勢氏との対立

永正10年（1513年）、伊勢宗瑞が三浦氏を滅ぼすべく大軍を展開し、相模三浦氏は防戦しましたが、最終的には長期の籠城の末、義同は自ら命を絶つことになりました。このことで相模三浦氏は完全に滅亡し、相模国の支配権は伊勢宗瑞の手に渡ることとなりました。

後世への影響

三浦氏の子孫は後に百姓に身分を落とされましたが、江戸時代に入ると浪人となり、新たな身分を築く道を模索しました。彼らは豊臣氏が滅びた後、また新しい時代への適応を続けていきました。相模三浦氏の歴史は、多くの武士や勢力の興亡をリアルに示していると言えるでしょう。

もう一度検索