相模大堰

相模大堰について

相模大堰（さがみおおぜき）は、神奈川県内広域水道企業団が管理する相模川水系の取水堰として位置付けられています。1995年に建設が始まり、1998年に完成しました。堰は河口から12キロメートル上流にあり、左岸は海老名市、右岸は厚木市に接しています。

補足として、2020年には「相模大堰管理橋」が一般向けに開放され、歩行者や自転車が自由に通行できるようになりました。この橋からは、堰の壮観な景色を楽しむことができます。

水の供給機能

相模大堰は、都市用水の供給を目的とした重要なインフラです。具体的には、建設省（現在は国土交通省）が中津川に宮ヶ瀬ダムを建設し、その水を相模大堰を介して取水し、神奈川県内の主要な水道に供給しています。構成団体には神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市が含まれており、年間を通じて安定した水供給が行われています。

現在、相模大堰では、日量621,000立方メートル（毎秒7.19立方メートル）もの水が取水されており、綾瀬浄水場や相模原浄水場を経由して各自治体に配水されています。堰には、計画洪水量7,300立方メートル毎秒に対応可能な幅42メートルの4つのゲートや、幅40メートルの2段調整ゲート2つ、幅21メートルの土砂吐ゲートが設置されており、その合計は7つのゲートから成り立っています。

環境への配慮

相模大堰の建設においては、周辺環境に対する配慮が随所に見られます。環境アセスメントが行われ、建設地内に生息する貴重な動植物、大きくはタコノアシに対しては、工事開始前に移植が実施されました。

さらに、魚道の設置が行われており、特に相模川の象徴的な魚であるアユを対象とした主魚道が整備されています。底生魚や小型魚類のための副魚道と、遡上魚を誘導するための呼び水水路も併設されています。これにより、地域の生態系が保護され、飼育される魚にとっての生活環境が整っています。

環境デザインにも工夫が凝らされており、野鳥の観察や魚道の利用状況を観察できるような施設が設けられています。また、湿地を模したビオトープも設計されており、地域住民が自然に親しむ場や社会学習の機会として活用されています。

アクセス情報

相模大堰には、JR相模線の社家駅から徒歩約15分のアクセスがあります。また、神奈川県道409号相模川自転車道線に沿っており、近隣をサイクリングする際にも便利です。さらに、上流側にある東名高速道路からは、堰の全景を一望することができます。

近隣の橋や関連項目

相模大堰の周辺には、相模大橋や相模川橋梁、相模川橋などの橋がいくつかあります。これらの橋を挟んで、相模川の流れを楽しむことができます。

相模大堰の建設に関する参考文献や資料は、神奈川県内広域水道企業団のホームページや相模川流域誌に掲載されているため、より詳細な情報が得られます。

このように、相模大堰は神奈川県の水道インフラとして重要な役割を果たしながら、環境への影響にも配慮した取り組みを実施しています。

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