真如寺 (京都市)

真如寺（しんにょじ）は、京都市北区等持院北町に位置する臨済宗相国寺派の寺院です。大本山相国寺の山外塔頭であり、山号を萬年山と称します。本尊には宝冠釈迦如来を祀り、勧請開山は無学祖元です。鹿苑寺（金閣寺）、慈照寺（銀閣寺）と共に、相国寺の3つの山外塔頭を構成しています。かつては五山十刹の十刹にも数えられていました。寺紋は輪違いです。

歴史

真如寺の始まりは、無学祖元（仏光国師）の没後、その弟子である無外如大尼によって創建された「正脈庵」に遡ります。無外如大尼は、京都尼五山の筆頭である景愛寺の住職であり、上杉氏の一族とする説が有力ですが、安達泰盛の娘で金沢顕時の妻である千代野とする説もあります。彼女が、無学の遺爪髪を祀るために建てた塔所が、真如寺の起源となりました。

無外如大尼の没後も、正脈庵は無学の弟子である高峰顕日（佛国国師）などの尽力によって維持されました。その後、無学祖元の法孫である夢窓疎石（夢窓国師）が、足利尊氏の執事である高師直と尊氏の弟である足利直義の外護を受け、暦応5年（1342年）に正脈庵を東側へ移築し、寺院として整備しました。この際、無学祖元がかつて住んでいた中国の真如寺（廃寺）に倣い、寺号を真如寺と改めました。

真如寺は衣笠山を借景とした風光明媚な場所にあり、「風景に富み、十境の勝あり」と称えられ、夢窓疎石がその場所を選定したと言われています。無学祖元を勧請開山、無外如大尼を勧請開基とし、夢窓疎石は第二世として入寺しました。高師直は観応2年（1351年）に没しており、その法名は真如寺との縁により「真如寺殿道常大禅定門」と名付けられました。

康永2年（1343年）、元々正脈庵があった場所には、足利尊氏によって夢窓疎石を開山とする北等持寺（現在の等持院）が建立されました。また、『後深心院関白記』や『後愚昧記』には、足利尊氏や足利義詮の葬儀が真如寺で執り行われたとの記録が残っています。

真如寺は、暦応4年（1341年）に十刹の第八位に列せられ、その後も第六位、第七位と順位を変えながら、室町幕府の保護を受けました。一時期は十刹の第一位であったとも記録されています。しかし、寛正2年（1461年）に焼失し、応仁の乱の影響で一時廃寺となりましたが、明応8年（1499年）より方丈や仏殿が段階的に復興されました。

天文4年（1535年）に宝鏡寺門跡となった花屋尼長老は、無学祖元と無外如大尼との縁を慕い、天正4年（1576年）に真如寺を墓所として埋葬されました。以後、真如寺は宝鏡寺歴代の菩提所となりました。明暦2年（1656年）には、後水尾上皇によって法堂が再建されました。これは、同年に亡くなった宝鏡寺門跡第二十世の理昌尼の墓所である真如寺が荒廃していたためです。この再興以降、歴代の宝鏡寺門跡も真如寺に埋葬されています。

真如寺には、古先印元、竺仙梵僊、明叟齋哲、惟肖得巌、天隠龍沢、了庵桂悟、彭叔守仙、別宗祖縁など、多くの禅僧が住持しました。また、江戸時代には臨済宗僧侶の法階である「西堂職」の本庵としての役割を担い、法堂で授帖式が行われる道場でもありました。

境内には、宝光菴、聖果院、釣深軒、正脈菴、帰元院、真光菴の六つの塔頭がありましたが、明治時代の廃仏毀釈によって廃寺となりました。

境内

法堂：仏殿を兼ねる本堂で、明暦2年（1656年）に後水尾上皇によって再建されました。本尊の宝冠釈迦如来坐像が祀られている他、宝鏡寺歴代の尼僧の像が五体安置されているのが特徴です。
七重石塔：
宝鏡寺門跡歴代の墓：
圓通殿：半僧坊大権現を祀る鎮守で、大正7年（1918年）に相国寺から勧請されました。
稲荷社：
茶所：
西門：
庫裏：
客殿：方丈でもあり、原在中作の襖絵「四季花卉図」や「西湖図」が収められています。
庭園：枯山水庭園と池泉回遊式庭園があります。
書院：
山門：
池：カキツバタが生えています。
南門：

関連人物

勧請開山：無学祖元（仏光国師）
勧請開基：無外如大尼
第二世（事実上の開山）：夢窓疎石（夢窓国師）
事実上の開基：高師直
中興：後水尾天皇（後水尾院）
客殿障壁画：原在中

関連項目

十刹
半僧坊大権現
宝鏡寺宮墓所
きぬかけの路

外部リンク

相国寺（公式ウェブサイト）
宝鏡寺（公式ウェブサイト）
* 方広寺 奥山半僧坊大権現（公式ウェブサイト）

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