真鶴 (千鳥型水雷艇)

真鶴水雷艇概説

真鶴（眞鶴、読み：まなづる）は、日本海軍に所属する水雷艇で、千鳥型の2番艇です。この艦は、ロンドン軍縮条約による制約下でも、文字通り重武装の艦艇として設計され、いわばミニ駆逐艦のような特性を持っていました。艦名は、隼型水雷艇の3番艇「真鶴」に由来し、これが2代目の艦となります。

艦歴の概要

真鶴は1931年12月22日に藤永田造船所で起工され、1932年8月1日に艦名が付けられ、水雷艇としての分類がされました。その後1933年7月11日に進水し、1934年1月31日に竣工します。真鶴は、日本の海軍の重要拠点である佐世保鎮守府に編入され、同じ千鳥型の「千鳥」とともに第21水雷隊を編成しました。

1934年3月には、その同型艇である「友鶴」が悪天候で転覆する事故、いわゆる友鶴事件が発生し、72名の殉職を含む合計100名の犠牲者が出ました。この際、真鶴は夜間訓練に参加するための集結地点に到着するも、機関の復水機トラブルが発生し、修理を行う羽目になりました。このお陰で、事故を免れることができましたが、その後の調査で、千鳥型艦艇の復原性が不足していることが指摘され、既に完成した3隻を含む艦に改善工事が施されることとなります。

改善工事とその後の運用

1935年には第四艦隊事件が発生し、この千鳥型艦艇も1936年の8月から11月にかけて改善工事を受けました。詳細は不明ですが、他の艦艇に比べて大きな問題には発展しなかった模様です。ただし、艦の速度は27ノット程度まで低下したと言われています。

1936年12月、真鶴は再度、第21水雷隊に編入され、同型艇4隻と共に中国方面へ進出し、上陸支援や封鎖作戦に従事しました。太平洋戦争の勃発後、艦は初期の南方攻略作戦をサポートし、その後船団護衛任務に従事しました。真鶴は、戦争の末期までさまざまな任務をこなしましたが、1945年3月1日に那覇でアメリカの空母艦載機の攻撃を受けて沈没しました。そして同年の5月10日には除籍されました。

歴代の艦長

真鶴の艦長には、以下のような歴任者がいます。

• - 艤装員長: 篠原弘 少佐（1933年9月30日 - 至）
• - 水雷艇長:

- 篠原弘 少佐（1934年1月31日 - 1934年11月15日）
- 塚本守太郎 大尉（1934年11月15日 - 1935年10月21日）
- 岩橋透 大尉（1935年10月21日 - 1936年9月19日）
- 林幸市 大尉（1936年9月19日 - 1936年12月1日、兼任）
- 堤恭三 少佐（1936年12月1日 - 1938年3月26日）
- 緒方友兄 少佐（1938年3月26日 - 1938年12月15日）
- 稲葉通宗 少佐（1938年12月15日 - 1939年3月20日、兼任）
- 肝付正明 大尉（1939年3月20日 - 1940年10月15日）
- 平田正明 大尉（1940年10月15日 - 1941年9月20日）
- 青野重郎 大尉（1941年9月20日 - 以降）

以上のように、真鶴は日本海軍の重要な水雷艇の一つとして、多くの艦長の指揮の下で運用されました。

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