矢野虎村

矢野虎村の生涯と業績

矢野虎村（やの とらむら）は、日本の戦国時代に活躍した武将であり、三好氏の家臣として名を馳せました。彼のことは古文書にいくつか記録されているものの、生年や若い頃の詳しい事跡についてはあまり明確な情報は存在していません。しかし、虎村は勝瑞城の西大手口にあたる矢上城（勝興寺城）の城主であり、彼の名前は三好実休（之虎）の偏諱を受けたものとされています。

功績と戦闘

虎村は、永禄5年（1562年）の久米田の戦いに参加していたかは不明ですが、同年の11月29日には河内国の高屋城において、彼および三好康長、加地盛時、三好盛政ら9人の武将が、実休の嫡子・三好長治を支持することを誓った起請文に署名したことが記されています。このため、彼がこの時期には「高屋在城衆」として畿内で活動していたことは確かです。また、実休の死後には三好康長、三好盛政との連名で書状を残していることから、彼らと協力して活動していたことが分かります。

虎村の活躍は、武士としての戦歴にも表れています。彼は永禄9年（1566年）に松永久秀との戦闘や、元亀元年（1570年）には織田信長との野田・福島の戦いにも参加しており、その戦術や指揮は評価されていたようです。特に、彼の活動は『細川両家記』により記録されており、戦国時代の激しい戦闘の中で重要な役割を果たしていたことが窺えます。

晩年と家族

晩年、虎村は勝瑞城の城内に居住し、矢上城には嫡子の矢野国村（駿河守）が拠っていたことが『矢野氏覚書』に記されています。また、彼の一族は広範囲にわたっており、矢上村や黒田村に多くの家族が暮らしていました。

天正5年（1577年）、三好長治が討たれた後、矢野国村は敵に立ち向かい伊沢頼俊を討ち取り、敵勢を撃退する活躍を見せました。しかし、天正7年には、国村が仁木日向守に討たれるという悲劇が待っていました。虎村は息子を救うために矢上城から駆けつけ、友軍と共に敵を撃退しました。

最期の戦い

虎村の運命は、1582年の本能寺の変により大きく変わります。織田信長の死後、長宗我部元親が再び進軍し、中富川での戦いが勃発しました。その戦闘において、虎村とその家臣・矢野備後守は戦死しました。彼はその時点で「三好家老」として戦の奉行を務めており、その勇敢な戦いっぷりは今日まで語り継がれています。八月二十八日、虎村は香宗我部親泰の軍の攻撃によって命を落としました。

結論

矢野虎村は、生涯を通じて数多の戦闘に参加し、三好氏の一員として数々の功績をあげた武将です。彼の家族もまた戦国時代の中で重要な役割を担っており、虎村の戦いの記憶は今も多くの人々に語られています。

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