矢野国村

矢野国村 (やの くにむら)

矢野国村は、日本の戦国時代から安土桃山時代にかけて活動した武将であり、三好氏に仕える家臣とし
て知られています。彼の出身地は阿波国で、矢野城を拠点とし、歴史の中で重要な役割を果たしてきました。一次史料に確認される彼の名は「房村」といいます。

生涯と戦歴

国村は阿波において三好実休に仕官し、永禄5年（1562年）に発生した久米田の戦いでは、実休が戦死する事件がありました。この戦いの後、彼は実休の息子である三好長治に仕官し、その後も忠実に仕え続けました。

元亀2年（1571年）、三好長治とその重臣である篠原長房の指示により、三好氏は讃岐国大内郡の4つの郷を寒川元隣から取得します。この時、国村は引田城に駐留し、もう一つの城である虎丸城には安富盛定が入ります。このように、彼は三好氏の領土拡張に寄与したとされます。

天正5年（1577年）3月、阿波の勝瑞城において三好長治が阿波の守護である細川真之や伊沢頼俊、一宮成相に討たれると、国村は阿波に戻り、篠原自遁と共に伊沢頼俊を謀殺し、勝瑞城を取り戻しました。この行動は、彼の勇敢さと政治的手腕を示すものです。同年、1月には勝瑞城に十河存保を迎え入れ、三好家の新たな当主として仰ぐこととなります。

天正7年（1579年）12月、国村は三好康長の息子で、岩倉城の城主となった三好康俊や、脇城を担当していた武田信顕と共に、土佐の長宗我部元親に通じる動きがあったことから、土佐に攻め入るための軍勢を編成するよう要請を受けます。国村は他の武将たちと共にこの要求に応じますが、脇城の外で三好康俊と武田信顕の軍から攻撃を受け、悲しくも戦死することとなります。

このように、矢野国村の生涯は戦国時代の激しい戦乱や権力闘争の中で一族や領土のために尽力したものでした。彼の存在は、三好氏の歴史の中で不可欠な一部を成していました。国村の行動は、彼がただの武士ではなく、政治的な計略と戦略を駆使した優れた武将であったことを強調しています。彼の武勇と忠誠心は、彼の名を後の世に刻むこととなりました。

出典

• - 『角川日本地名大辞典 36 徳島県』（1986年 ISBN 4040013603）

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