石井修道

石井修道先生は、1943年福岡県のご出身で、日本の仏教学界において、宋代禅宗史を専門とする著名な学者です。特に中国曹洞宗と道元禅の研究において、その深い知識と洞察力で高く評価されています。駒澤大学で長年教鞭を執り、名誉教授の称号をお持ちです。また、松ヶ岡文庫長（代理）としてもご活躍されています。

学歴と職歴

石井先生は、福岡県立鞍手高等学校をご卒業後、1966年に駒澤大学仏教学部禅学科を卒業されました。その後、同大学大学院博士後期課程を単位取得退学され、1971年に駒澤大学仏教学部助手として教職のキャリアをスタートされました。その後、講師、助教授を経て、1984年に教授に就任。1988年には、博士論文『宋代禅宗史の研究 -中国曹洞宗と道元禅-』で文学博士号を取得されました。駒澤大学では、仏教学部長や禅学研究所所長、禅文化研究所評議員を歴任され、2014年に定年退職されました。

受賞歴

石井先生は、その研究業績に対し、数々の賞を受賞されています。1979年には、日本印度学仏教学会賞を受賞。さらに、2024年には、第5回禅文化賞を受賞され、そのご功績が改めて称えられました。

主な著書と編訳書

石井先生は、多くの著書や編訳書を執筆・編集されており、禅宗研究に多大な貢献をされています。

著書

『宋代禅宗史の研究 中国曹洞宗と道元禅』(大東出版社、1987) - 博士論文
『道元禅の成立史的研究』(大蔵出版、1991)
『中国禅宗史話 真字「正法眼蔵」に学ぶ』(禅文化研究所、2003)
『正法眼蔵行持に学ぶ 道元禅師』(禅文化研究所、2007)
『石頭 自己完結を拒否しつづけた禅者』(臨川書店、2013)

編訳書

宏智正覚『宏智録』(名著普及会、1984-86) - 禅籍善本古注集成
『禅語録 大乗仏典 中国・日本篇 第12巻』(中央公論社、1992) - 大慧宗杲『法語』ほか
『道元思想大系 14 思想篇 第8巻　道元と本覚思想』(同朋舎出版、1995)
『道元思想大系 7 思想篇 第1巻　道元禅の成立』(同朋舎出版、1995)
『禅語録傍訳全書 従容録』(四季社、2003)
『曹洞宗法問事例大系』全3巻(四季社、2002) - 高木祐之・中野東禅・春木龍仙・霊元丈法共編
『道元禅師全集 語録 原文対照現代語訳 第14巻』(春秋社、2007) - 伊藤秀憲・角田泰隆共訳註
『禅の思想辞典』(東京書籍、2008) - 田上太秀共編著
『道元禅師全集 正法眼蔵 原文対照現代語訳 第8・9巻』(春秋社、2011-12) - 最終部担当

監修

* 『道元「赴粥飯法」』(角川ソフィア文庫、2024) - 編・解説

これらの著作は、石井先生の長年にわたる研究の集大成であり、禅宗、特に道元禅の研究において、重要な文献として広く活用されています。石井先生は、禅宗史の研究における第一人者として、そのご業績は国内外から高く評価されています。また、後進の育成にも尽力され、多くの研究者を育ててこられました。石井先生の研究活動は、仏教文化の発展に大きく貢献されており、今後のご活躍も大いに期待されています。

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