石井美紀

石井 美紀（いしい みき）

日本のリングでかつて活躍した元女子プロレスラー、石井美紀。1969年7月18日にこの世に生を受け、千葉県船橋市で育ちました。プロレスラーとなる以前は、自衛官として日本の防衛に携わるという、非常に珍しいキャリアを持っています。彼女の身体的な特徴として、身長156センチ、体重50キロ、血液型はA型が挙げられます。

プロレス界への第一歩は、リング上で選手としてではなく、レフェリーとしてのスタートでした。2004年4月2日、東京・お台場メディアージュで行われた零対市井舞の試合で、彼女は初めて公式な場で審判を務めます。

そして翌年、2005年8月28日には、満を持して選手としてのデビューを果たしました。場所は東京・板橋グリーンホール。この記念すべきデビュー戦では、自身の娘であるきのこ選手をパートナーに迎え、高橋李佳選手とあいか選手のタッグチームと対戦しました。母娘タッグでのデビューは、当時のプロレス界においても注目を集めました。

キャリア初期は我闘姑娘に所属し、様々な経験を積みました。2006年9月24日には、東京・新木場1stRINGで開催された興行で、聖菜選手とのシングルマッチに臨み、得意技の一つであるフェイスロックで勝利を収めています。同大会のタッグマッチにも出場し、さくらえみ選手、希月あおい選手とトリオを結成。零選手、高橋李佳選手、春日萌花選手のチームと対戦しましたが、パートナーの希月選手が零選手に敗れる結果となりました。

2007年に入ると、石井美紀選手は大きな転機を迎えます。同年2月9日付で、娘のきのこ選手と共に、我闘姑娘からアイスリボンへと所属団体を移籍しました。新天地であるアイスリボンでも積極的な活動を続けましたが、2007年3月18日には、板橋グリーンホールでJWPの日向あずみ選手と対戦し、日向選手の原爆固めの前に敗退するなど、強豪との試合も経験しました。

そして、2008年2月24日、彼女はプロレスラーとしてのキャリアの終着点を迎えました。北沢タウンホールで開催されたFuture Star大会が、引退試合の舞台となりました。我闘姑娘時代の同期である市井舞選手をパートナーに迎え、アイスリボンのトップ選手であるさくらえみ選手、希月あおい選手のタッグチームと対戦。激戦の末、勝利で自身のプロレス人生を締めくくりました。試合後には、春日萌花選手や高橋李佳選手といった、共に我闘姑娘時代を過ごした仲間たち（引退者も含む）に見送られ、リングを後にしました。

現役時代にファンを魅了した得意技には、

ミサイルキック
ダイビング・セントーン

などがあります。

また、彼女はいくつかのタイトルを獲得しています。プロレス界の中でも特異なベルトとして知られるDDTプロレスリングの第234代アイアンマンヘビーメタル級王座に君臨した経験があり、さらに我闘姑娘で開催された第1回ドロップキックコンテストでは優勝を果たしています。

プロレスラーとして引退した後も、石井美紀選手は女子プロレス界との関わりを持ち続けています。アイスリボンの非常勤スタッフとして、団体の運営を裏方から支えています。特に、北沢や板橋など、ホーム道場であるレッスル武闘館以外で開催される大会では、売店業務を担当する姿が見られるほか、選手のセコンドに付いてサポートを行うこともあります。

引退から約1年半後の2009年9月21日、板橋で行われたアイスリボン大会の全試合終了後、行われたバトルロイヤルに突如乱入するというサプライズを見せました。この時、現役時代と変わらない軽快な動きを披露し、詰めかけたファンを驚かせました。また、2012年11月4日には、我闘雲舞（我闘姑娘の流れを汲む団体）の板橋大会において、代表であるさくらえみ選手の要請に応じ、スタッフとして協力するなど、団体や選手への支援を続けています。

元自衛官というユニークな経歴から女子プロレスラーへと転身し、娘と共にリングに上がり、そして引退後も団体のスタッフとして貢献を続ける石井美紀選手。彼女のプロレス人生は、多岐にわたる挑戦と、女子プロレスへの深い愛情に彩られています。

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