石川町 (大田区)とは？意味をやさしく解説

東京都 大田区石川町：歴史と文化が織りなす閑静な住宅街

はじめに

東京都大田区石川町は、東急目黒線と池上線に挟まれた南北に細長い地域です。住居表示実施済区域で、石川町一丁目と石川町二丁目から構成されています。周囲は世田谷区、目黒区と接し、東京工業大学大岡山キャンパスの一部も含まれる、静かで落ち着いた住宅街として知られています。

地理

大田区北部に位置する石川町は、目黒区、世田谷区、大田区の3区にまたがる地域に隣接しています。西側は世田谷区東玉川、奥沢、目黒区緑が丘、北側は目黒区大岡山、東側はごくわずかに大田区南千束と北千束、南側は中原街道を境に大田区東雪谷と南雪谷とに接しています。

町内は主に閑静な住宅街が広がっていますが、かつて数多く存在した企業の社宅は、現在ではマンションに建て替えられたものが少なくありません。それでも、日本銀行や双日の社宅団地など、歴史を感じさせる建物も残っています。

歴史

地名の由来

『新編武蔵風土記稿』によると、「石川」は呑川の別称であるとされています。呑川は、この地域を流れるかつての重要な水路です。

沿革

石川町の起源は、明治初期の東京府荏原郡石川村に遡ります。1889年、町村制施行により近隣の10ヶ村と合併して池上村となり、石川村は大字石川となりました。1923年には池上線が通じ、「石川駅」（後に「石川台駅」と改称）が開業しました。

1924年には、東京高等工業学校（現在の東京工業大学）が浅草区蔵前から大岡山に移転。大学キャンパスの建設により、地域は大きく変化しました。1926年には池上村が町制を施行し、荏原郡池上町となります。1932年には東京市に編入され、東京市大森区石川町が誕生しました。1947年には大田区の一部となり、現在に至っています。1960年には住居表示実施に伴う町域調整が行われ、中原街道が南の雪ヶ谷町との境界となりました。