石本努
石本 努（いしもと つとむ）は、1973年2月4日に長崎県諫早市で生まれた元プロ野球選手です。主に外野手として、長年にわたり北海道日本ハムファイターズ（入団時は日本ハムファイターズ）でプレーしました。現役引退後は、そのままファイターズ球団に残り、現在はスカウトとして活動しています。プロ入り時の投打は右投げ右打ちでしたが、後に両打ちを経て、現役中盤からは左打ちに専念するスタイルとなりました。
プロ入り前、石本氏は別府大学付属高校（現在の明豊高校）で野球に打ち込みました。高校時代は、100メートル走で10秒台を記録するほどの抜群の俊足を誇る内野手（二塁手）として活躍。チームの3番打者を任され、高校通算では131盗塁という驚異的な数字をマークしました。しかし、残念ながら甲子園出場の夢は叶わず、3年夏の県大会は3回戦で敗退しています。高校卒業後、1990年秋のプロ野球ドラフト会議にて、日本ハムファイターズから2位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。
プロ入り後、石本氏は当初内野手として主にファームで経験を積んでいましたが、その傑出した俊足が球団内で高く評価され、外野手へのコンバートを決断します。外野手として新たな道を歩み始めた彼は、プロキャリアの中で二度にわたる大きな怪我という試練に見舞われます。プロ3年目の1992年には、イースタン・リーグの公式戦中に不運にも右頬を陥没骨折。さらに1997年には、度重なる脱臼癖に悩まされていた右肩の手術に踏み切りました。この右肩の手術は、その後の彼のプレーに大きな影響を与え、右腕を肩より高く上げることが困難となり、送球能力は著しく低下しました。時には一塁からのタッチアップを許してしまうほど、弱肩になってしまったのです。
しかし、石本氏はこれらの厳しい怪我を見事に乗り越え、グラウンドに戻ってきました。二度の大きな試練を克服してからは、持ち味である柔軟なバッティングセンスと、優れた走力を活かした広大な守備範囲を武器に、スターティングメンバーとして試合に出場する機会を増やしていきました。打撃面では、1999年6月8日から7月2日にかけて16試合連続安打を記録するなど、好調なバッティングを披露し、チームに貢献。また、強打者が揃った「ビッグバン打線」と呼ばれた2000年には、シーズン開幕戦に先発出場を果たすなど、主力選手としての存在感を示しました。
彼のプロ野球キャリアの中で、特に多くのファンの記憶に残っているのが、試合前に見せたユニークなパフォーマンスの数々です。2004年9月20日、日本プロ野球史上初のストライキ明けとなった福岡ダイエーホークス戦（札幌ドーム）の試合前、石本氏はファンへのメッセージとして、森本稀哲氏、島田一輝氏、新庄剛志氏、坪井智哉氏といった同僚外野手と共に、『秘密戦隊ゴレンジャー』のかぶりもの（仮面）を被ってシートノックを行いました。「一昨日、昨日と試合できなくてゴメンJoy」と題されたこのパフォーマンスで、石本氏はモモレンジャー役を務めました。さらに翌2005年9月19日、西武ライオンズ戦（札幌ドーム）の試合前には、新庄剛志氏の発案による「SHINJO5」と命名されたパフォーマンスに参加。新庄氏の顔を模した同じデザインのかぶりものを着用し、全員が「背番号：1、背ネーム：SHINJO」のユニフォーム姿でシートノックを披露しました。これらのパフォーマンスは、彼の明るい人柄とチームのムードメーカーとしての一面をよく表しています。
しかし、2005年シーズンは、チーム内の若手選手の台頭などもあって石本氏の出場機会は徐々に減少していきました。シーズン終了後、球団から戦力外通告を受け、15年間にわたる現役生活に静かにピリオドを打ちました。
現役引退後、石本氏はそのまま北海道日本ハムファイターズに残り、現在は球団のスカウトとして活動しています。グラウンドでの経験と選手の能力を見抜く眼力を活かし、未来のファイターズを担う若手選手の獲得・育成に貢献しています。また、2007年の交流戦ではスコアラーとしてベンチ入りし、データ分析を通じてチームをサポート。この年、ファイターズは球団史上初の交流戦優勝を果たしており、その陰には石本氏の裏方としての貢献もあったとされています。
エピソードとしては、かつて日本スポーツ出版社のプロ野球選手名鑑において、彼の紹介文に誤情報が掲載されていたことが挙げられます。2000年版以降の名鑑では、1999年の16試合連続安打の事実に続いて「オールスターにも出場した」との虚偽の記載がなされていました。実際にはこの年だけでなく、現役引退まで一度もオールスター本大会には出場しておらず（フレッシュオールスター出場との混同でもありません）、この誤記は2005年の引退まで訂正されることなく掲載され続けました。また、日本ハム応援団による彼の応援歌は、曲中にファンが足を踏み鳴らすというユニークなギミックが採用されていたことでも知られています。
プロ野球選手としての石本努氏の主な記録は以下の通りです。
初出場：1995年9月28日、対オリックス・ブルーウェーブ26回戦（グリーンスタジアム神戸）、8回裏に井出竜也に代わり中堅手として出場
初盗塁：1995年10月4日、対西武ライオンズ26回戦（西武ライオンズ球場）、7回表に二盗（投手：新谷博、捕手：伊東勤）
初安打：1996年8月17日、対近鉄バファローズ20回戦（香川県営野球場）、9回裏に久保康生から
初先発出場：1996年8月18日、対近鉄バファローズ21回戦（香川県営野球場）、1番・左翼手として先発出場
* 初本塁打・初打点：1996年9月8日、対福岡ダイエーホークス26回戦（東京ドーム）、2回裏に木村恵二から2ラン
背番号は、プロ入りから引退まで「37」を一貫して着用しました。
石本努氏は、俊足と堅実な守備、そして粘り強い打撃を武器に、二度の大きな怪我を乗り越えてファイターズに貢献した選手です。また、球団の顔としてファンを楽しませるパフォーマンスを見せるなど、記憶に残る存在でした。現在は裏方として、チームの未来を支えています。
プロ入り前、石本氏は別府大学付属高校（現在の明豊高校）で野球に打ち込みました。高校時代は、100メートル走で10秒台を記録するほどの抜群の俊足を誇る内野手（二塁手）として活躍。チームの3番打者を任され、高校通算では131盗塁という驚異的な数字をマークしました。しかし、残念ながら甲子園出場の夢は叶わず、3年夏の県大会は3回戦で敗退しています。高校卒業後、1990年秋のプロ野球ドラフト会議にて、日本ハムファイターズから2位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。
プロ入り後、石本氏は当初内野手として主にファームで経験を積んでいましたが、その傑出した俊足が球団内で高く評価され、外野手へのコンバートを決断します。外野手として新たな道を歩み始めた彼は、プロキャリアの中で二度にわたる大きな怪我という試練に見舞われます。プロ3年目の1992年には、イースタン・リーグの公式戦中に不運にも右頬を陥没骨折。さらに1997年には、度重なる脱臼癖に悩まされていた右肩の手術に踏み切りました。この右肩の手術は、その後の彼のプレーに大きな影響を与え、右腕を肩より高く上げることが困難となり、送球能力は著しく低下しました。時には一塁からのタッチアップを許してしまうほど、弱肩になってしまったのです。
しかし、石本氏はこれらの厳しい怪我を見事に乗り越え、グラウンドに戻ってきました。二度の大きな試練を克服してからは、持ち味である柔軟なバッティングセンスと、優れた走力を活かした広大な守備範囲を武器に、スターティングメンバーとして試合に出場する機会を増やしていきました。打撃面では、1999年6月8日から7月2日にかけて16試合連続安打を記録するなど、好調なバッティングを披露し、チームに貢献。また、強打者が揃った「ビッグバン打線」と呼ばれた2000年には、シーズン開幕戦に先発出場を果たすなど、主力選手としての存在感を示しました。
彼のプロ野球キャリアの中で、特に多くのファンの記憶に残っているのが、試合前に見せたユニークなパフォーマンスの数々です。2004年9月20日、日本プロ野球史上初のストライキ明けとなった福岡ダイエーホークス戦（札幌ドーム）の試合前、石本氏はファンへのメッセージとして、森本稀哲氏、島田一輝氏、新庄剛志氏、坪井智哉氏といった同僚外野手と共に、『秘密戦隊ゴレンジャー』のかぶりもの（仮面）を被ってシートノックを行いました。「一昨日、昨日と試合できなくてゴメンJoy」と題されたこのパフォーマンスで、石本氏はモモレンジャー役を務めました。さらに翌2005年9月19日、西武ライオンズ戦（札幌ドーム）の試合前には、新庄剛志氏の発案による「SHINJO5」と命名されたパフォーマンスに参加。新庄氏の顔を模した同じデザインのかぶりものを着用し、全員が「背番号：1、背ネーム：SHINJO」のユニフォーム姿でシートノックを披露しました。これらのパフォーマンスは、彼の明るい人柄とチームのムードメーカーとしての一面をよく表しています。
しかし、2005年シーズンは、チーム内の若手選手の台頭などもあって石本氏の出場機会は徐々に減少していきました。シーズン終了後、球団から戦力外通告を受け、15年間にわたる現役生活に静かにピリオドを打ちました。
現役引退後、石本氏はそのまま北海道日本ハムファイターズに残り、現在は球団のスカウトとして活動しています。グラウンドでの経験と選手の能力を見抜く眼力を活かし、未来のファイターズを担う若手選手の獲得・育成に貢献しています。また、2007年の交流戦ではスコアラーとしてベンチ入りし、データ分析を通じてチームをサポート。この年、ファイターズは球団史上初の交流戦優勝を果たしており、その陰には石本氏の裏方としての貢献もあったとされています。
エピソードとしては、かつて日本スポーツ出版社のプロ野球選手名鑑において、彼の紹介文に誤情報が掲載されていたことが挙げられます。2000年版以降の名鑑では、1999年の16試合連続安打の事実に続いて「オールスターにも出場した」との虚偽の記載がなされていました。実際にはこの年だけでなく、現役引退まで一度もオールスター本大会には出場しておらず（フレッシュオールスター出場との混同でもありません）、この誤記は2005年の引退まで訂正されることなく掲載され続けました。また、日本ハム応援団による彼の応援歌は、曲中にファンが足を踏み鳴らすというユニークなギミックが採用されていたことでも知られています。
プロ野球選手としての石本努氏の主な記録は以下の通りです。
初出場：1995年9月28日、対オリックス・ブルーウェーブ26回戦（グリーンスタジアム神戸）、8回裏に井出竜也に代わり中堅手として出場
初盗塁：1995年10月4日、対西武ライオンズ26回戦（西武ライオンズ球場）、7回表に二盗（投手：新谷博、捕手：伊東勤）
初安打：1996年8月17日、対近鉄バファローズ20回戦（香川県営野球場）、9回裏に久保康生から
初先発出場：1996年8月18日、対近鉄バファローズ21回戦（香川県営野球場）、1番・左翼手として先発出場
* 初本塁打・初打点：1996年9月8日、対福岡ダイエーホークス26回戦（東京ドーム）、2回裏に木村恵二から2ラン
背番号は、プロ入りから引退まで「37」を一貫して着用しました。
石本努氏は、俊足と堅実な守備、そして粘り強い打撃を武器に、二度の大きな怪我を乗り越えてファイターズに貢献した選手です。また、球団の顔としてファンを楽しませるパフォーマンスを見せるなど、記憶に残る存在でした。現在は裏方として、チームの未来を支えています。
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