石谷町 (鹿児島市)

石谷町（いしだにちょう）

鹿児島県鹿児島市の西部に位置する石谷町は、その歴史と交通アクセスの良さで知られています。旧薩摩国日置郡に属し、かつては石谷村、上伊集院村大字石谷、松元町大字石谷としてその歴史を刻んできました。2020年4月1日時点で、1,906世帯、4,775人が暮らしています。

地理

石谷町は、長谷川の支流である石谷川の上流域、台地上に広がっています。周辺は日置市伊集院町や鹿児島市の各町と隣接しており、南九州西回り自動車道が町の中央部を横断、松元インターチェンジが設置されています。また、鹿児島県道206号線や24号線、210号線が町内を走り、交通網が発達しています。近年、交通アクセスの向上に伴い、商業施設の建設や住宅地としての開発が進んでいます。

歴史

石谷の成立

1261年、石谷は土橋村から分かれて石谷村として成立しました。この地はもともと山田氏が治めていましたが、石谷氏（後の町田氏）に売却され、新たな歴史が始まりました。

南北朝時代の争乱と町田氏による支配

南北朝時代、石谷は伊集院氏と町田氏の間で争奪戦が繰り広げられました。当初、北朝方についた石谷氏に対し、南朝方の伊集院氏が勢力を拡大、一時的に伊集院氏の支配下に入ります。しかし、伊集院氏の内紛により、石谷は島津氏の直轄地となり、後に町田氏に与えられました。

1449年、町田高久が伊集院煕久に殺害される事件が起こりますが、その息子である頼本が島津忠国に訴え、再び町田氏の支配下に戻りました。

1536年、町田忠栄は島津氏の内紛で敗北しましたが、後に復帰し、石谷の地を再び支配しました。以後、町田氏がこの地を治めることになります。

近世の石谷村

江戸時代には、石谷村は伊集院郷の一部として、1,049石余（後に683石余）の村高を誇りました。村内は、仁田尾、東、松ノ尾など、いくつかの字に分かれていました。また、寺田屋騒動で知られる有馬新七が、一時的に石谷の領主であった町田久成の要請でこの地を治めていました。

町村制施行以後

1889年の町村制施行により、石谷村を含む周辺の村々が合併し上伊集院村となり、石谷はその大字となりました。上伊集院村は後に松元村、そして松元町へと変遷しました。1998年には南九州西回り自動車道の松元インターチェンジが設置され、2005年には鹿児島県道210号線のバイパスが開通し、町の交通インフラが大きく改善しました。

2003年には松陽台が石谷、福山、上谷口の一部より分割され大字として設置され、2004年には松元町が鹿児島市に編入されました。この際、大字石谷は廃止され、新たに「石谷町」として独立しました。

文化財

石谷町には、市指定の文化財として「石谷の石坂」や「町田家の墓」があります。これらの文化財は、地域の歴史を今に伝える貴重な遺産です。

施設

公共施設

すこやかランド石坂の里

教育施設

鹿児島市立石谷小学校
石谷児童クラブ
仁田尾保育園

その他

西日本高速道路松元料金所
中村晋也美術館

交通

道路

一般[[国道]]
国道3号（南九州西回り自動車道 鹿児島道路）
松元インターチェンジ
松元本線料金所
松元バスストップ（休止中）
主要地方道
鹿児島県道24号鹿児島東市来線
一般県道
鹿児島県道206号徳重横井鹿児島線
鹿児島県道210号小山田谷山線


石谷町は、その歴史と現代的な発展が融合した魅力的な地域です。過去から現在に至るまで、多くの変遷を経てきたこの地域は、今後もその歴史を背景に発展を続けることでしょう。

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