祖父江町

祖父江町について

祖父江町（そぶえちょう）は、かつて愛知県中島郡に存在した町です。2005年4月1日に、隣接する平和町とともに稲沢市へ編入され、その歴史に幕を閉じました。町の西側は岐阜県と接しており、木曽川が県境をなしていました。特に、銀杏（ぎんなん）の生産地として全国的に知られています。

名称の由来

祖父江という名前は、町内を流れる川の水が酸化鉄の影響で赤茶色に変色することに由来しています。この赤茶色の水は「そぶ水」と呼ばれ、それが町名の起源となりました。現在でも大雨の後には、その名残を見ることができます。

地理

祖父江町は、木曽川の支流に囲まれた土地に位置しています。西部は木曽川の本流に面しており、河川に囲まれた地形から、輪中や水屋といった独自の構造物が見られます。東部は日光川が稲沢市との境界を形成しており、町の中央には領内川が流れています。天候の良い日には、北西にそびえる伊吹山を望むことができます。

町内には、サリオパーク祖父江という3つの公園（国営木曽三川公園「ワイルドネイチャープラザ」、県営木曽川祖父江緑地公園、市営祖父江ワイルドネイチャー緑地）が整備されており、自然を満喫できるスポットとして親しまれています。特に、木曽川によって形成された祖父江砂丘は、独特の景観を作り出しており、合併後も稲沢サンドフェスタというイベントが開催されています。

河川

町内を流れる主な河川は以下の通りです。

木曽川
日光川
領内川

これらの河川は、町の歴史や文化に深く関わっており、豊かな自然を育んでいます。

歴史

祖父江町は、江戸時代の宝暦治水や明治時代の三川分流工事など、水害との闘いの歴史があります。これらの歴史的な出来事は、町の史誌にも記録されています。

沿革

1889年（明治22年）：町村制施行により、下祖父江村と三拾町野村が合併し祖父江村が成立。
1896年（明治29年）：町制を施行し、祖父江町となる。
1906年（明治39年）：牧川村、丸甲村、山崎村、領内村と合併し、新たな祖父江町が発足。
1916年（大正5年）：中島郡祖父江町立実習補習学校（後の愛知県立祖父江高等学校）が設立。
1956年（昭和31年）：長岡村を編入。
1971年（昭和46年）：町役場が新築。
1979年（昭和54年）：『祖父江町史』刊行。
2005年（平成17年）：平和町とともに稲沢市に編入、祖父江町は廃止。

行政

歴代町長

友松隆利

経済

銀杏の生産

祖父江町は、古くから銀杏の生産が盛んな地域でした。伊吹おろしからの防風林として、また食用としても利用するために、多くのイチョウが植えられました。1900年頃から商業的な生産が本格化し、品質向上のための品種改良も行われました。現在でも親しまれている藤九郎などの品種は、祖父江町が発祥とされています。これらの歴史と文化を伝えるため、2002年からは「そぶえイチョウ黄葉まつり」が開催されるようになりました。町内には樹齢100年を超えるイチョウが数多く存在します。

特産品

ジュウロクササゲ
銀杏（ギンナン）
内藤醸造 - 日本酒や焼酎を生産。

教育

高校

愛知県立杏和高等学校
2005年に祖父江高校と平和高校が合併して誕生。校名「杏和」は祖父江町の銀杏と平和町に由来。

中学校

祖父江町立祖父江中学校

小学校

祖父江町立丸甲小学校
祖父江町立山崎小学校
祖父江町立祖父江小学校
祖父江町立長岡小学校
祖父江町立牧川小学校
祖父江町立領内小学校

社会教育

祖父江町中央図書館
祖父江町郷土資料館

交通

鉄道

名古屋鉄道

尾西線：丸渕駅 - 上丸渕駅 - 森上駅 - 山崎駅

道路

町内には国道は通っていませんでした。

主要地方道

愛知県道67号名古屋祖父江線

一般県道

愛知県道129号尾西津島線
愛知県道130号馬飼井堀線
愛知県道133号稲沢祖父江線
愛知県道134号桑原祖父江線
愛知県道512号八開稲沢線

大規模自転車道

尾張サイクリングロード

娯楽

新豊座 - 映画館。

名所・旧跡

布智神社
善光寺東海別院
祐専寺
正琳寺
サリオパーク祖父江
国営木曽三川公園「ワイルドネイチャープラザ」
愛知県営木曽川祖父江緑地公園
祖父江ワイルドネイチャー緑地

祭事・催事

そぶえイチョウ黄葉まつり
稲沢サンドフェスタ

出身著名人

柳野かなた - ライトノベル作家。
坂田亘 - プロレスラー。
新妻聖子 - 女優・歌手。
冨田和音 - 稲沢市議会議員、CBCテレビアナウンサー。

脚注

外部リンク参照

関連項目

愛知県の廃止市[[町村]]一覧

外部リンク

* 祖父江町ホームページ（2005/03/04アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project

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