神奈川中央交通西・津久井営業所

神奈川中央交通西・津久井営業所

神奈川中央交通西・津久井営業所は、神奈川県相模原市緑区三ケ木に拠点を置く、神奈川中央交通西の営業所です。営業所の略号は「つ」で、最寄りの停留所は「三ヶ木」です。この営業所は、神奈川中央交通西に運行管理を全面的に委託しており、主に相模原市緑区および東京都町田市堺地域（法政大学方面）の路線を担当しています。一部の山間部路線は神奈川中央交通西の免許路線となっています。

概要

三ヶ木操車所は手狭なため、相模原市西区城山に城山操車所を設け、車両や乗務員を分散配置しています。三ヶ木は旧津久井郡地域におけるバス路線網の拠点であり、待合室、売店、自動販売機、定期券販売所などの旅客サービス施設も充実しているため、「三ヶ木バスターミナル」と呼ばれることもあります。

歴史

黎明期から分社化まで

1944年6月16日、神奈川中央乗合自動車中野営業所として開設されたのが始まりです。当初は現在の相模中野停留所付近に位置していました。1960年7月1日に津久井営業所へ改称し、1963年12月13日には津久井郡津久井町三ケ木へ移転しました。その後、1987年12月21日に営業所改築が完了し、1989年12月4日には管内全路線で神奈中バスカードの利用が開始されました。1996年8月1日にはバス共通カードにも対応し、1998年3月には路線バス車内での雨傘販売を開始するなど、サービス拡充に努めていました。

路線再編と子会社委託

2002年4月1日には、津久井神奈交バス（当時）がやまなみ温泉 - 東野、篠原の路線から一旦撤退し、藤野町営バスが引き継ぎました。2004年9月27日には大規模な路線再編が行われ、2005年4月16日には営業所再編と子会社委託の拡大に伴い、神奈川中央交通本体としての津久井営業所は廃止され、神奈川中央交通相模原営業所三ヶ木操車所・城山操車所に組織変更されました。同時に、運行管理は津久井神奈交バス津久井営業所に全面的に委託されました。

グループ再編と現在

2007年3月11日には、相模原市と津久井郡藤野町の合併に伴い藤野町営バスが廃止され、やまなみ温泉 - 東野、篠原などの路線を津久井神奈交バス（当時）が引き継ぎました。2008年10月13日には、一部路線を除き、全線でPASMO・Suicaが使用可能となりました。2010年12月13日には停留所の移設と廃止が行われ、2013年10月28日にはやまなみ温泉・篠原発着路線を除く全路線で乗降方法が「中乗り・前降り」に変更されました。2016年3月28日には相原駅西口ロータリー開設によって路線の再編および乗り入れが開始され、2017年1月1日の神奈川中央交通グループ組織再編の際、三ヶ木・城山操車所を所管する営業所として組織名称上「神奈川中央交通津久井営業所」が復活し、旧・津久井神奈交バス・津久井営業所を引き継いだ「神奈川中央交通西・津久井営業所」へ全面的に委託する形式となりました。2019年3月31日には旧・藤野町営バス関連のやまなみ温泉発着系統のうち東野・篠原方面系統が廃止され、相模原市によるデマンド交通システムへ移行しました。

現行路線

津久井営業所は、主に以下のエリアを結ぶ路線を運行しています。

橋本駅方面: 橋本駅と三ヶ木を結ぶ路線が主力で、国道413号を経由します。また、相模原協同病院を経由する路線や、さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト（現・さがみ湖MORI MORI）へのアクセス路線も運行しています。
鳥居原ふれあいの館方面: 橋本駅から鳥居原ふれあいの館を結ぶ路線を運行しており、関 - 鳥屋間は自由乗降区間となっています。
若葉台住宅方面: 橋本駅と若葉台住宅を結ぶ路線を運行しており、一部路線は町屋・広田地区を経由します。
新小倉橋方面: 橋本駅と三ヶ木を新小倉橋経由で結ぶ路線で、運行本数は少ないです。
城山方面: 橋本駅と城山、三井を経由して三ヶ木を結ぶ路線を運行しています。
東京家政学院・法政大学方面: 橋本駅から東京家政学院大学や法政大学へ向かう路線を運行しています。
原宿五丁目・上大島方面: 橋本駅から原宿五丁目や上大島方面へ向かう路線を運行しています。
相原駅方面: 橋本駅や相原駅西口から法政大学や大戸方面へ向かう路線を運行しています。
東京家政学院方面: 相原駅西口から東京家政学院へ向かう路線を運行しています。
半原方面: 三ヶ木から半原を結ぶ路線を運行しており、一部は橋本駅方面との乗り継ぎを考慮したダイヤが組まれています。
鳥居原ふれあいの館方面: 三ヶ木から鳥居原ふれあいの館へ向かう片方向のみの路線を運行しており、橋本駅方面へは橋07として運行します。
月夜野方面: 三ヶ木と月夜野地区を結ぶ路線を運行しており、一部区間は自由乗降区間となっています。
相模湖駅方面: 相模湖駅と三ヶ木を結ぶ路線を運行しており、さがみ湖MORI MORIへのアクセスも可能です。
藤野駅方面: 藤野駅と周辺の山間部を結ぶ路線を運行しており、一部に狭隘区間があります。
八王子駅方面: 相模湖駅から高尾山口駅を経由して八王子駅北口へ向かう路線を運行しており、西東京バスの営業区域も走行します。

廃止・移管路線

過去には、町田駅方面への路線や、根小屋経由の三ヶ木方面への路線、相模原営業所へ移管された路線など、多くの路線が廃止・移管されています。

主な廃止路線

町田駅方面: 町田ターミナルと橋本駅を結んでいた路線は、町田駅周辺の渋滞により定時運行が困難となったため、相模原営業所へ一本化され、後に多摩営業所へ移管されました。
根小屋経由路線: 橋本駅と三ヶ木を結んでいた根小屋経由の路線は、現在の橋01とは異なる経路で運行されていました。
相原循環路線: 橋本駅と相原地区を循環していた路線は、1990年代から2003年にかけて順次廃止されました。
アリオ橋本シャトルバス: アリオ橋本開業時に運行されたシャトルバスは、利用客が定着せず短期間で廃止されました。
藤野町実験バス関連: やまなみ温泉を発着する藤野町実験バスの路線は、2019年に廃止され、デマンド交通に移行しました。

その他

上記以外にも、多くの路線が廃止や移管されており、路線の変遷が見られます。

車両

津久井営業所では、山間部路線を担当するという事情から、かつてはナローボディー車や9m大型車といった特殊車両が配置されていました。古くからいすゞ車が多く用いられてきましたが、現在は三菱ふそう製の車両も多く導入されています。中型車はいすゞ・エルガミオが配置されています。

参考文献

『バスラマ・インターナショナル』68号「ユーザー訪問・神奈川中央交通」ぽると出版
『バス・ジャパン・ハンドブックシリーズ R57 神奈川中央交通』BJエディターズ
神奈川中央交通社史
「登山・ハイキングバス時刻表」関東編 各年度版

関連項目

津久井神奈交バス
三ケ木
藤野町営バス
日本のコミュニティバス一覧

外部リンク

神奈川中央交通
津久井営業所路線図

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