神戸川 (島根県)

神戸川について

神戸川（かんどがわ）は、島根県中部の飯南町から出雲市にかけて南北に流れる重要な河川であり、斐伊川放水路の一環として、2006年8月1日より斐伊川水系に組み込まれています。この川は地域の自然環境や農業、住民生活に欠かせない存在となっています。

地理的特性

神戸川は女亀山を源流とし、中国山地から北へ流れ出します。途中、来島ダムにより形成された来島湖に頓原川が流れ込むほか、波多川などの支流と合流し、立久恵峡を形作ります。さらに川は出雲市街を潤しながら進み、最終的には出雲市西園町から日本海に流れ出ます。

川の流路は、来島ダム付近では国道54号に沿っており、その後は国道184号に続き、河口付近では国道9号と国道431号と交わります。このように、神戸川は地域の重要な交通路に寄与しており、多くの橋梁が点在することでも知られています。主な橋には、くにびき海岸大橋や神戸橋、馬木大橋などがあります。

歴史的背景

神戸川の歴史は古く、古代の『出雲国風土記』においては神門川（かむどのがわ）として言及されています。この当時、神戸川は神門水海（現在の神西湖）に流入しており、斐伊川もまた同水域へ流れていました。しかし、土砂の堆積や洪水によって流れが変わることが度々ありました。

特に、寛永11年（1635年）および12年（1636年）の大洪水を契機に、人工的な流路変更が行われ、斐伊川は宍道湖へと進む流れに固定されることとなりました。このとき、神戸川の現在の流れも確立され、元禄年間には堤防の築堤が完成しました。

1972年には集中豪雨により約1300戸が浸水し、堤防が決壊寸前に至りました。この災害を受け、1976年には神戸川水系の治水対策に関する基本計画が策定され、斐伊川と一体的な治水対策が取られるようになりました。そして、2002年にはこの基本計画が河川整備基本方針に引き継がれています。

さらに、2006年7月には再び洪水が発生し、3名の尊い命が失われ、約170戸が浸水する事態となりました。こうした自然災害の教訓を踏まえ、2011年には志津見ダムが完成し、さらなる治水対策が講じられています。

流域の自治体

神戸川は主に島根県に所在し、流域内には飯石郡飯南町や出雲市などの自治体が広がっています。これらの地方自治体は、河川の管理や治水を行うため、協力しながら取り組んでいます。

結論

神戸川はただの河川ではなく、地域の生活や歴史、自然環境に深く根付いた存在です。水源の豊かさから、農業や工業の発展、さらには治水対策に至るまで、その重要性は多岐にわたります。今後も地域住民と行政が結束して、この大切な水系を守り続けていくことが求められます。

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