福井重雅

福井重雅：東洋史研究の巨星、その生涯と学問

福井重雅（ふくい しげまさ、1935年12月11日 - 2020年3月13日）は、日本の東洋史学者であり、早稲田大学の名誉教授でした。彼の研究は、中国の歴史、特に漢代の官吏制度や儒教に焦点を当て、学界に多大な貢献をしました。

生い立ちと学歴

1935年、東京府牛込区（現在の東京都新宿区）に生まれた福井重雅は、早稲田大学で学びました。1954年に早稲田大学高等学院を卒業後、同大学第一文学部史学科東洋史専修に進学し、1958年に卒業。その後、大学院に進み、1965年に博士課程を単位取得満期退学しました。

研究者としての道

福井重雅は、1965年に早稲田大学文学部の講師として教鞭を執り始めました。1971年に助教授、1967年に教授へと昇進し、長年にわたり後進の指導に尽力しました。1988年には、学位論文『漢代官吏登用制度の研究』を早稲田大学に提出し、文学博士号を取得しました。2006年に早稲田大学を定年退職し、名誉教授の称号を受けました。

業績と受賞

福井重雅の主な研究テーマは、漢代の官吏制度と儒教の関係でした。彼は、儒教が官学化される過程を詳細に分析し、その歴史的意義を明らかにしました。また、中国の歴史家、司馬遷、班固、范曄、陳寿の列伝訳注も行い、中国史研究の基礎を築きました。

その業績は高く評価され、2015年には瑞宝中綬章を受章しました。

家族

福井家は学者一家であり、父の福井康順は仏教学者、兄の福井文雅も同じく仏教学者でした。また、義理の姪には女優の毬谷友子やえまおゆうがいます。

著作一覧

著書

『漢代儒教の史的研究 儒教の官学化をめぐる定説の再検討』汲古書院(汲古叢書) 2005

翻訳

『近代中国における宗教の足跡』ウィンーチット＝チャン著、金花舎(叢書/仏教文化の世界) 1974
『中国の思考様式』アーサー・F・ライト編著、編訳、金花舎(叢書/仏教文化の世界) 1978
『世界の宗教シリーズ 6 仏教の世界』アン＝バンクロフト著、帝国書院(ジュニア地理)　1988
『西京雑記』編訳注、東方書店 2000

編著・記念論文集

『中国古代の歴史家たち 司馬遷・班固・范曄・陳寿の列伝訳注』 早稲田大学出版部 2006
* 『古代東アジアの社會と文化 福井重雅先生古稀・退職記念論集』汲古書院 2007

福井重雅は、その長きにわたる研究生活を通じて、多くの研究者や学生に影響を与えました。彼の学問に対する情熱と深い知識は、東洋史研究の発展に大きく貢献しました。彼の業績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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