「福建」(ふっけん、
中国語: 福建
拼音: Fújiàn)は、
中華人民共和国が誇る003型
航空母艦です。
2022年6月17日に進水し、
2024年に初の試験航海を行う予定です。福建は国産空母の2隻目として、中国海軍の近代化を象徴する艦艇となっています。
設計の特徴
福建はそのデザインにおいて、コスト削減を図りながらも、運用面での効率を重視しています。艦体は「山東」よりも若干大きいものの、設計思想により耐波性や減揺性を考慮し、発着艦作業がスムーズに行えるようになっています。
艦橋部分は
ステルス性を向上させ、独自の小型化設計が施されています。その結果、
艦橋は約42メートルの長さで、前世代の艦よりもコンパクトにまとめられています。
機関と動力
福建は通常動力型の艦で、一般的な
ボイラーと
蒸気タービンを用いています。出力は22万軸
馬力以上とされ、先代の「山東」を上回る性能を誇ります。さらに、
統合電気推進方式を導入し、
電磁式カタパルトを搭載することにより、より効率的な電力利用が期待されています。これにより、航空機の発艦が迅速に行え、作戦時の運用効率が向上することが見込まれています。
航空運用機能
福建の最大の特徴は、
CATOBAR方式を採用していることです。これは、
固定翼機の運用に優れた発艦方法で、艦上の運用能力を格段に向上させます。例えば、従来のスキージャンプ式発艦よりも迅速に多くの航空機を発進できるため、迅速な戦闘対応が可能となります。また、最新のJ-15B戦闘機や新型の
早期警戒機KJ-600が搭載予定で、強化された戦力が期待されます。
防御機能
防御面においても、福建は先進的な装備が取り入れられています。346B型の多機能レーダーと、MON-
1130型CIWS、HHQ-10ミサイルシステムを搭載。これにより、対空防御能力が向上し、艦隊運用時の安定性が増すと考えられています。これらのシステムは、海軍の攻撃作戦を支える重要な役割を果たします。
艦歴
福建の建造は2018年から始まり、幾度かの進捗遅延を経て、
2022年に進水を果たしました。
進水式はCOVID-19の影響で遅延しましたが、その後航行試験へと向かいます。進水以降、海軍からの正式な確認が待たれる中、運用開始が期待されています。特に、
台湾海峡の近接する福建省に由来する名前の選定は、戦略的な視点からも注目されています。
今後も、「福建」は中国海軍の
航空母艦としての役割を果たし、日本を含む周辺国に影響を与える存在となることでしょう。