福渡温泉

福渡温泉

福渡温泉は、栃木県那須塩原市、美しい渓谷沿いに位置する塩原[[温泉郷]]を構成する温泉地の一つです。国道400号線を渓谷に沿って進むと現れる、塩原十一湯の中でも2番目に位置し、自然豊かなロケーションの中に6軒の温泉宿が点在しています。文豪たちにも愛されたその渓谷美は、訪れる人々を魅了し続けています。

泉質と効能

福渡温泉の泉質は、塩化物泉、炭酸水素塩泉、単純温泉など様々です。源泉温度は40度から50度と、湯浴みに適した温度で湧き出ています。

効能としては、以下のものが挙げられます。

きりきず
やけど
慢性皮膚病
虚弱児童

温泉街の様子

福渡温泉は、大網[[温泉]]から箒川を遡ること約2kmの場所に位置し、川の左岸には古くからの温泉街が広がっています。右岸の下流寄りには、キャンプ場やコテージ、テニスコートなどを備えた塩原グリーンビレッジがあります。

国道400号は、温泉街の中では上下線が離れた位置を通り、福渡橋で右岸西側の丘陵地へと続いています。一方、塩原街道の旧道は左岸に沿って温泉街を貫いています。塩原温泉旅館組合に加盟する温泉宿は6軒あり、塩原グリーンビレッジやTAOYA塩原、亀の井ホテル塩原などが点在しています。

福渡橋からは、塩原渓谷の名所として知られる「天狗岩」を一望できます。橋の近くには福渡温泉神社があり、1445年に創建、1888年に現在地へ遷宮されました。1995年には那須塩原市の有形文化財に指定されています。橋を渡った先には、塩原御用邸の建物の一部が移築された塩原[[温泉天皇の間記念公園]]があります。

かつて温泉街から箒川を渡った対岸には、岩の湯、不動の湯という2つの混浴露天風呂の共同浴場がありましたが、残念ながら、不動の湯は風紀の乱れから2015年6月1日に閉鎖、岩の湯は落石の危険性から閉鎖されました。

歴史

福渡温泉には、1536年（天文5年）創業の和泉屋旅館がありました。横山大観や竹久夢二、大町桂月ら多くの文人墨客が訪れ、別館は展示施設「文学亭」として活用されていましたが、2020年に破産しました。

1884年（明治17年）には、栃木県令の三島通庸が福渡に別荘を構え、1902年（明治35年）には皇太子（のちの大正天皇）がこの地を訪れました。三島彌太郎は別荘を献上し、塩原御用邸となりました。戦後は厚生省に移管され、中途視覚障害者更生施設として利用されましたが、2013年に廃止されました。

1937年（昭和12年）に省営バスが開通し、塩原[[温泉駅]]が開業するまでは、福渡温泉は塩原[[温泉郷]]の中心として栄えました。

1949年2月25日には、福渡大火に見舞われ、多くの旅館が焼失しました。川瀬巴水は、火災見舞いに訪れたという記録が残っています。

1962年には、塩原開発により屋外スケートリンク「塩原スケートセンター」が開業しましたが、2002年に営業を終了し、跡地は塩原グリーンビレッジのオートキャンプサイトなどになっています。

2018年（平成30年）3月31日には、温泉街にあった日本大学塩原研修所が閉館しました。

交通

鉄道：JR宇都宮線西那須野駅よりJRバス約35分、「塩原福渡」下車。
野岩鉄道上三依塩原[[温泉口駅]]からゆ～バスで約28分、「塩原福渡」下車。
車：東北自動車道西那須野塩原ICより国道400号へ約20分。

外部リンク

塩原温泉旅館組合
* 塩原温泉11湯 福渡（那須塩原市による紹介）

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