稀府駅

稀府駅

北海道伊達市南稀府町に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅です。駅には「H36」という駅番号が付与されており、電報略号は「マレ」です。事務管理コードは▲130308が割り当てられています。

歴史

稀府駅は、1925年（大正14年）8月20日に鉄道省の駅として誕生しました。これは、長輪東線（現在の室蘭本線）が輪西駅（現在の東室蘭駅）から伊達紋別駅までの区間で開業したことに伴うものです。開業当初は、旅客や貨物、荷物など、様々な取扱を行う一般駅でした。

線路名はその後、1928年（昭和3年）9月10日に長輪線へ改称され、さらに1931年（昭和6年）4月1日には長輪線が室蘭本線に編入されたため、室蘭本線の駅となりました。

時代の流れと共に、駅の取扱業務も変化していきました。1962年（昭和37年）1月15日には貨物の取扱が廃止され、1980年（昭和55年）5月15日には荷物の取扱も終了。これと同時に、駅員が配置されない無配置駅となりました。

国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日に北海道旅客鉄道（JR北海道）へ継承されました。民営化後の1988年（昭和63年）には駅舎が改築されています。その後、2009年（平成21年）9月30日までは簡易委託駅として窓口業務（午前7時30分から午後2時30分まで）が行われていましたが、翌10月1日からは簡易委託も廃止され、完全に無人駅となりました。

駅名の由来

駅名はその所在地名に由来しています。地名である「稀府」の正確な由来については諸説あります。

永田方正は、アイヌ語で「イチゴが多く自生している場所」を意味する「エマウリオマレㇷ゚（emawri-omarep）」に由来するという説を唱えています。一方、幕末の探検家である松浦武四郎が著した『東蝦夷日誌』には、「イマリマリフ。鮭場なり。名義、泳ぐ形云なり。」という記述が見られ、山田秀三はこの記録などを基に、別の語源の可能性を示唆し、さらなる検討が必要であるとしています。なお、1973年（昭和48年）に旧国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では、永田方正と同様の説が紹介されています。

ちなみに、地名としての「稀府」（北稀府町、中稀府町、南稀府町）は「まれふ」と読まれており、駅名の「まれっぷ」とは読みが異なります。

駅構造

稀府駅は地上駅で、単式ホーム1面と島式ホーム1面を組み合わせた、計2面3線の線路配置を有しています。ホームは駅舎に接する単式ホーム（1番線側）と、その向かいにある島式ホーム（2・3番線側）です。

かつて、島式ホームの駅舎側にある2番線（中線）は上下列車の共用に使用されていましたが、1993年頃には側線としての扱いに変わりました。現在、旅客列車は主に駅舎側の1番線（下り）と島式ホーム外側の3番線（上り）を使用しています。

各ホーム間の移動は、駅舎に接する単式ホームの北側と島式ホームの北側を結ぶ構内踏切を利用します。また、1番線側には、岩見沢方面から分岐したかつての貨物側線を転用した短い保線車両の留置線が1線あります。3番線側には安全側線が設けられています。

駅舎は線路の東側（陸側、室蘭・苫小牧方面に向かって右側）に位置し、単式ホームに直接面しています。以前使用されていた駅舎は改築されており、現在は明るい光を取り込む窓が設けられ、内部には山小屋を思わせる木組みが現しになった特徴的なデザインの建物となっています。駅舎内にはトイレも設置されています。

線路は、隣の長和駅から稀府駅までは単線区間ですが、稀府駅から次の黄金駅を越え、三川駅までは複線区間となります。

のりば

利用状況

稀府駅の1日平均乗降人員は以下の通りです。

1981年度：171人
1992年度：508人

駅周辺

駅周辺には、いくつかの施設や自然景観が見られます。

北海道道1057号稀府停車場線
稀府郵便局
内浦湾（噴火湾）
国道37号線
伊達市立稀府小学校
伊達市立達南中学校
北海道伊達緑丘高等学校
鷲別岳
牛舎川
道南バス「南稀府」停留所（国道37号線沿い）

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）

■室蘭本線

北舟岡駅 (H37) - 稀府駅 (H36) - 黄金駅 (H35)

関連項目

日本の鉄道駅一覧

外部リンク

稀府｜駅の情報検索（時刻表・バリアフリー）｜鉄道・きっぷ｜JR北海道- Hokkaido Railway Company

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