埴生町

埴生町（はにゅうまち）

埴生町は、かつて長野県埴科郡に存在した町です。現在の千曲市北東部、しなの鉄道線屋代駅周辺にあたります。本稿では、町制前の名称である埴生村（はにゅうむら）についても記述します。

地理

埴生町は、一重山や有明山といった山々に囲まれた地域に位置していました。

歴史

1355年（建武2年）、小笠原貞宗が船山（小船山、または鋳物師屋とも）に守護所を置いたことがきっかけとなり、武水別神社神官家の四宮氏、保科氏、関屋氏、夏目氏らによる襲撃事件が発生しました。この事件は青沼合戦（中先代の乱）の始まりとなり、埴生町を含む広範囲な地域が戦場となりました。

1407年（応永14年）には、幕府料所である埴科郡船山郷の代官真晃が、市河越中守及び倉科帯刀にその年の年貢を請け負わせたという記録が残っています（市河文書）。

1422年（応永29年）には、僧行俊が埴科郡青沼南方年貢の三分の一のうち半分を、弟の僧信方に譲ったという記録があります（森文書）。

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、小島村、寂蒔村、鋳物師屋村、打沢村、桜堂村が合併し、埴生村が発足しました。

1948年（昭和23年）3月1日、埴生村は町制を施行し、埴生町となりました。

1954年（昭和29年）10月1日には、杭瀬下村と合併し、新たに埴生町が発足しました。

1955年（昭和30年）7月1日には、五加村の一部（中）を編入しました。五加村の残部（上徳間、内川、千本柳、小船山）は戸倉町の一部となりました。

1959年（昭和34年）6月1日、屋代町、更級郡稲荷山町、八幡村と合併し、更埴市が発足したことにより、埴生町は廃止されました。

2003年（平成15年）9月1日、更埴市は戸倉町、更級郡上山田町と合併し、千曲市が発足しました。

交通

鉄道路線

日本国有鉄道
信越本線（現：しなの鉄道線）
屋代駅
長野電鉄
河東線
屋代駅

現在、旧村域にはしなの鉄道線の千曲駅がありますが、当時は未開業でした。

道路

国道18号
谷街道（現：国道403号）

参考文献

角川日本地名大辞典 20 長野県

関連項目

長野県の廃止市町村一覧

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