立田清辰

立田清辰

立田清辰（たつた きよとき / きよたつ、1890年8月7日 - 1942年7月28日）は、日本の内務・警察官僚であり、官選県知事を務めた人物です。岐阜県吉城郡の出身で、第七高等学校造士館を経て、1916年に東京帝国大学法学部法律学科を卒業しました。

官僚としての経歴

大学卒業後、逓信省に入省しますが、1918年10月に高等試験行政科試験に合格したことを機に、1919年に内務省へ転じ、鳥取県属となります。その後、香川県警察部刑務課長を皮切りに、神奈川県警視、内務事務官、徳島県書記官・警察部長、茨城県書記官・警察部長、熊本県書記官・警察部長など、各地で警察行政に携わりました。

1929年には朝鮮総督府に転じ、事務官・警務局図書課長、同保安課長を歴任。1933年に山梨県内務部長に転じた後、1935年1月には宮城県書記官・総務部長に就任しました。これらの地方官僚としての経験を経て、1936年4月、鳥取県知事に任命され、県政を担うことになります。

鳥取県知事としての活動

鳥取県知事としては、前任者の政策を基本的に踏襲しつつ、県立盲唖学校の創設、水産試験船の建造、鳥取県振興会の設置など、県政の発展に尽力しました。これらの事業は、従来の事業を見直した上で捻出された財源によって実施されました。

千葉県知事、そして晩年

1939年1月には千葉県知事に転任し、戦時体制の確立に尽力しました。1941年5月に知事を退任し、その後退官。晩年は住宅営団理事として活動しました。

栄典

1940年8月15日には、紀元二千六百年祝典記念章を授与されています。

関連事項

立田清辰に関連する事項として、当時の社会問題であったハンセン病患者への対策である「無癩県運動」や、特高警察による講演会での問題「特高課長講演問題」などが挙げられます。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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