竜胆瀉肝湯

竜胆瀉肝湯（りゅうたんしゃかんとう）について

竜胆瀉肝湯は、漢方の古典である中国の医書『薛氏十六種』に記載されている処方で、主に尿路や生殖器の炎症を鎮め、排尿を促す効果があります。比較的体力があり、冷えを感じない方に適しています。

構成生薬

竜胆瀉肝湯は、以下の9種類の生薬から構成されています。

竜胆（りゅうたん）: 苦味があり、炎症を抑える効果があります。この処方の主薬です。
黄芩（おうごん）: 解熱作用や抗炎症作用があります。
山梔子（さんしし）: 利尿作用や炎症を抑える効果があります。
木通（もくつう）: 利尿作用があり、炎症を鎮める効果があります。
車前子（しゃぜんし）: 利尿作用があり、排尿を促します。
沢瀉（たくしゃ）: 利尿作用があり、体内の余分な水分を排出します。
当帰（とうき）: 血行を促進し、体を温める効果があります。
地黄（じおう）: 血液を補い、体を潤す効果があります。
甘草（かんぞう）: 炎症を抑え、他の生薬の作用を調和させる効果があります。

中医学的な解釈

中医学では、竜胆瀉肝湯は肝胆火旺（肝火上炎）の状態に用いられます。これは、肝臓の熱が過剰になり、それが体に影響を及ぼしている状態を指します。この状態では、脈は弦滑数（脈が速く、滑らか）、舌質は紅（舌が赤い）、舌苔は黄膩（舌苔が黄色く、べたべたしている）といった特徴が見られます。

効果・効能

竜胆瀉肝湯は、以下のような症状に効果があるとされています。

膀胱炎、膣炎、子宮内膜症などの尿路・生殖器系の炎症
排尿痛、頻尿、残尿感、尿のにごり、陰部のかゆみ
自律神経の過亢進による不眠、イライラ、怒りっぽさ、目の充血、激しい頭痛
難聴、耳鳴り、陰部湿疹、眼痛、目やに

薬効成分

竜胆瀉肝湯の有効成分はまだ特定されていませんが、小太郎漢方製薬の研究により、以下の成分が含まれていることが判明しています。ただし、小太郎漢方製薬の製品は、他の生薬も含むため、一般的な処方とは異なる場合があります。

リグスチライド
ペオニフロリン
フェルラ酸
ベルベリン
バイカリン
ゲニポシド
グリチルリチン酸
ゲンチオピクロシド
アリソールＢモノアセテート

副作用

竜胆瀉肝湯の副作用として、以下のようなものが報告されています。

胃腸障害
胃の不快感、吐き気、食欲不振

また、まれに甘草の副作用として、偽アルドステロン症（血圧上昇、むくみ、体重増加）、発疹、じんま疹、ミオパシー（脱力感、手足の痙攣や麻痺）などが起こることがあります。

服用上の注意

1ヶ月以上服用しても症状が改善しない場合は、医師に相談してください。
食前または食間に服用してください。

その他

竜胆瀉肝湯は、体質や症状に合わせて服用する必要があります。専門家（医師や薬剤師）に相談の上、適切に服用してください。

参考資料

日本薬局方
一般用漢方製剤承認基準
漢方方剤一覧
薬の煎じ方

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