漢方方剤一覧

漢方方剤一覧



漢方方剤は、中国伝統医学に基づいて配合された薬のことで、日本でも医療用や一般用医薬品として広く利用されています。ここでは、日本市場で流通している漢方方剤を一覧形式で紹介します。

薬効分類



漢方方剤は、その作用や効果によって様々な種類に分類されます。

解表剤



解表剤は、体表から侵入した病邪を追い出すことを目的とした薬です。感冒やインフルエンザの初期に用いられることが多いです。

辛温解表剤
桂枝湯(けいしとう)
葛根湯(かっこんとう)
麻黄湯(まおうとう)
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
辛凉解表剤
銀翹散(ぎんぎょうさん)
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)
越婢湯(えっぴとう)
扶正解表剤
敗毒散(はいどくさん)
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

瀉下剤



瀉下剤は、便秘を解消し、体内の老廃物を排出することを目的とした薬です。

寒下剤
大承湯(だいじょうきとう)
調胃承湯(ちょういじょうきとう)
温下剤
大黄附子湯(だいおうぶしとう)
潤下剤
麻子仁丸(ましにんがん)
逐水剤
十棗湯(じっそうとう)

和解剤



和解剤は、体内のバランスを整え、様々な不調を改善することを目的とした薬です。

和解少陽剤
小柴胡湯(しょうさいことう)
大柴胡湯(だいさいことう)
調和肝脾剤
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
四逆散(しぎゃくさん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
加味逍遥散(かみしょうようさん)
調和脾胃剤
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
黄連湯(おうれんとう)

清熱剤



清熱剤は、体内の熱を取り除くことを目的とした薬です。炎症や感染症などに用いられます。

分熱剤
白虎湯(びゃっことう)
竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)
清営凉
清営湯(せいえいとう)
犀角地黄湯(さいかくじおうとう)
清熱解毒剤
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
温清飲(うんせいいん)
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
清臓腑熱剤
三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
導赤散(どうせきさん)
清胃散(せいいさん)
清虚熱剤
青蒿鼈甲湯(せいこうべっこうとう)
当帰六黄湯(とうきりくおうとう)
黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)

温裏剤



温裏剤は、体を温め、冷えによる不調を改善することを目的とした薬です。

温中散寒剤
人参湯(にんじんとう)
附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
回陽救逆剤
四逆湯(しぎゃくとう)
参附湯(じんぶとう)
温経散寒剤
当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)
黄耆桂枝五物湯(おうぎけいしごもつとう)

補益剤



補益剤は、体力を補い、虚弱体質を改善することを目的とした薬です。


四君子湯(しくんしとう)
六君子湯(りっくんしとう)
補中益湯(ほちゅうえっきとう)

四物湯(しもつとう)
当帰補湯(とうきほけつとう)
双補剤
帰脾湯(きひとう)
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
補陰剤
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
麦味地黄丸(ばくみじおうがん)
知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
補陽剤
八味地黄丸(はちみじおうがん)
牛車腎丸(ごしゃじんきがん)
右帰丸(うきがん)
陰双補剤
生脈散(しょうみゃくさん)
炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
参苓白朮散(さんれいびゃくじゅつさん)




越鞠丸(えつぎくがん)
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

蘇子降湯(そしこうきとう)
橘皮竹茹湯(きっぴちくじょとう)




祛瘀剤
桃核承湯(とうかくじょうきとう)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
温経湯(うんけいとう)

十灰散(じっかいさん)
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

祛湿剤



芳香化湿剤
平胃散(へいいさん)
藿香正散(かっこうしょうきさん)

清熱祛湿剤
三仁湯(さんにんとう)
八正散(はっしょうさん)

利水滲湿剤
五苓散(ごれいさん)
猪苓湯(ちょれいとう)

温化水湿剤
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
真武湯(しんぶとう)

祛風勝湿剤
独活寄生湯(どっかつきせいとう)
薏苡仁湯(よくいにんとう)



祛痰剤


燥湿化痰剤
二陳湯(にちんとう)
清熱化痰剤
温胆湯(うんたんとう)
小陥胸湯(しょうかんきょうとう)
潤燥化痰剤
貝母栝楼散(ばいもかろさん)
温化寒痰剤
小青龍湯(しょうせいりゅうとう)
治風化痰剤
止嗽散(しそうさん)



原典分類



漢方方剤は、その出典となった古典医学書によっても分類されます。

金匱要略
桂枝湯(けいしとう)
小建中湯(しょうけんちゅうとう)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
傷寒論
葛根湯(かっこんとう)
麻黄湯(まおうとう)
大承湯(だいじょうきとう)
和剤局方
四君子湯(しくんしとう)
六君子湯(りっくんしとう)
* 帰脾湯(きひとう)


注意

本記事は、あくまで漢方方剤の一覧であり、個々の症状に対する適切な漢方薬の選択は、医師や薬剤師などの専門家にご相談ください。

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