競輪場のバンクレコード

競輪場のバンクレコードとは

競輪におけるバンクレコードとは、各競輪場において、最終バックストレッチラインからゴールまでの区間における最速ラップタイムのことです。このタイムは、競走における選手のスピードを測る重要な指標であり、一般的に「上がりタイム」と呼ばれています。競輪場ごとに周回距離やバンクの形状が異なるため、バンクレコードは各競輪場固有の記録として扱われます。

バンクレコードの定義

バンクレコードは、競輪場ごとに設定されたバックストレッチラインからゴールまでのタイムで計測されます。競輪場によって周回距離（333.3m、335m、400m、500m）やバンクの傾斜角度が異なるため、各競輪場で記録が異なります。

記録計測方法の変遷

以前は、レース全体の「レース上がり」タイムが計測されていましたが、1990年4月1日より、1着選手の「個人上がり」タイムのみが記録として採用されるようになりました。これは、レース展開によって2着以下の選手がより速いタイムを出す場合があるため、公平性を期すための措置です。現在では1着選手のタイムのみがバンクレコード更新の対象です。

日本におけるバンクレコード

この記事では、2024年7月21日時点の記録を基に、バンクレコードについて解説します。ただし、KEIRIN EVOLUTIONやPIST6、ガールズケイリンにおける記録は対象外としています。これらのレースでは、使用する機材やルールが異なるため、競輪のバンクレコードとは区別されています。最新の情報は、KEIRIN.JPで確認できます。

敢闘賞について

バンクレコードを更新した選手には、主催者から敢闘賞が贈られることがあります。かつては、記録賞や優秀選手賞と同様に金額が定められており、過去にはフランソワ・ペルビス選手やボティシャー選手などに賞金が支給されました。タイ記録の場合でも敢闘賞が贈られることがあり、深谷知広選手や中野慎詞選手にも支給されています。

近年の競輪における変化

近年の競輪では、選手のギア比の変化やスピードの向上が見られます。競輪評論家の山口国男氏によると、最高速度はかつての60km/h程度から5km/hほど向上していると指摘しています。これは、近年の競走における「大ギヤ化」によるものです。かつて吉岡稔真選手が活躍していた時代は、軽いギアでペダルを高回転させるスタイルが主流でしたが、現在は重いギアでより大きな力を出す選手が増えています。

ギア比と落車事故

大ギヤ化はスピードアップに繋がる一方で、落車事故の増加にも影響しているという意見もあります。大ギヤと長いクランクを使用する場合、選手にかかる力が大きくなり、少しの接触でも転倒しやすくなるという指摘があります。また、スピードを追求するあまり、プロテクターを着用せずにレースに臨む選手もおり、安全面での懸念も指摘されています。

ギア比の規制

2014年末まで、ギア倍数は「4.00以上」が主流でしたが、2015年からは「4.00未満」に規制されました。これは、選手の安全を考慮した上での措置です。その後、太田竜馬選手などの例外を除き、ギア倍数は3.92または3.93での記録更新となっています。ただし、企画レースであるKEIRIN EVOLUTIONでは、カーボン製のフレームを使用するため、バンクレコードの対象外です。

その他

気温とタイムの関係

競輪の上がりタイムは、気温と直接的な関連性があります。気温が高いほど、タイムは速くなる傾向にあります。冬季（12月〜2月）にバンクレコードが記録されていないことからも、気温の影響が大きいことがわかります。

ガールズケイリンの記録

ガールズケイリンでは、非公認記録として、400mバンクでは高木真備選手と児玉碧衣選手が11秒3を、333m・335mバンクでは太田りゆ選手が9秒7を記録しています。

参考

この記事は、以下の情報を参考に作成されました。

KEIRIN.JP
デイリースポーツonline
* 2014年版 競輪年間記録集

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