竹寺

竹寺の概要

竹寺（たけでら）は、埼玉県飯能市南八王子に位置する天台宗の寺院で、正式名称は医王山薬寿院八王寺です。この寺院は神仏習合の特徴があり、武蔵野三十三観音霊場の第三十三番札所として人々に親しまれています。本尊に牛頭天王（その本地仏は薬師如来）を祀っており、多くの信仰を集めています。

歴史

竹寺は天安元年（857年）に円仁、すなわち慈覚大師によって創建されたとされます。彼は東国を巡礼していた際に病人が多いことを憐れみ、道場を建立し大護摩の秘法を修行したのが開山の起源です。この寺院は明治維新の際の神仏分離令を免れ、神仏習合の特徴を残し続けています。

境内の見所

竹寺の境内は約11,768平方メートルにわたり、多くの施設が点在しています。牛頭天王・本坊・三十三番結願堂・本地堂（瑠璃殿）・弁天堂・稲荷社・水屋・奥の院・鳥居・石灯籠などがあり、自然と共存した美しい環境が魅力です。

牛頭天王社の標高は490メートルで、登山者にも人気のスポットです。2003年に再建された本殿内には、木造の牛頭天王坐像と八王子（牛頭天王の八人の童子）が祀られており、12年に一度の丑年には開帳されます。また、2021年には特別に開帳され、多くの参拝客が訪れました。

俳句寺としての一面

境内にはさまざまな句碑や絵馬が設置されており、特に中谷孝雄や秋元不死男の作品が多くあります。それ以降、竹寺は「奥武蔵俳句寺」とも呼ばれるようになりました。

茅の輪と護符

登り口の鳥居には茅の輪が設けられており、訪れる人々が厄除けを祈願する姿が見られます。また、木製の蘇民将来の護符が授与され、両者は蘇民将来伝説に基づくものです。この伝説は厄除けに関するもので、多くの参拝者に親しまれています。

文化財

竹寺には多くの文化財が保存されています。その中には室町時代末期の銅造大日如来坐像や、1567年の十一面観音懸仏、1611年の線刻勝軍地蔵懸仏など多岐にわたり、貴重な歴史的遺産として重要視されています。また、書道作品として斎藤鶴磯筆の「牛頭天王宮」額なども存在し、農業へも影響を与えてきました。

行事

竹寺ではさまざまな行事が催され、元旦には新年の祈願が行われ、特に7月15日には牛頭天王大祭が開催されます。その他にも写経会や雨竹会などのイベントが定期的に行われることで、地域の人々や観光客にとって重要な行事となっています。また、毎年12月31日の大晦日には除夜の鐘が突かれ、多くの人々が新年を祝いに訪れます。

周辺情報

竹寺の周囲には多くの自然の名所が点在しています。子ノ権現天龍寺まで徒歩約70分ほどでアクセスでき、また伊豆ヶ岳（850.9m）、正丸峠（636m）、大高山（493m）、天覚山（445.5m）など、登山を楽しむには絶好のロケーションです。

竹寺はその美しい景観と深い歴史、豊かな文化により、訪れる人々に特別な癒しと体験を提供し続けています。

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