笠井重治

笠井重治

笠井重治（かさい じゅうじ、1886年7月14日 - 1985年4月10日）は、日本の政治家であり、衆議院議員として3期にわたり国政に携わりました。

生い立ちと海外留学

笠井重治は、1886年（明治19年）7月14日に山梨県南巨摩郡西島村（現在：身延町）に生まれました。1904年（明治37年）に渡米し、1913年（大正2年）にはシカゴ大学政治学科を卒業。その後、ハーバード大学大学院に進学し、国際法と外国史を専攻しました。アメリカでの経験は、彼の国際的な視野を広げる上で大きな影響を与えたと考えられます。

政界入りと衆議院議員

帰国後、笠井は東京市会議員、同参事会員となり、政治家としてのキャリアをスタートさせました。1930年（昭和5年）の第17回衆議院議員総選挙に郷里の山梨県から無所属で立候補しますが、落選。その後も挑戦を続け、1936年（昭和11年）の第19回衆議院議員総選挙でついに初当選を果たしました。以後、3回にわたり衆議院議員を務め、阿部内閣では拓務参与官に任命されています。

戦時期の活動

1941年（昭和16年）5月、笠井は衆議院中南米視察団に参加。しかし、篠原陸朗議員とともに視察団から離れ、ワシントンD.C.へ向かいます。当時、日米関係は悪化の一途を辿っており、彼は何らかの働きかけを試みた可能性があります。同年11月2日、サンフランシスコから引き揚げ船「龍田丸」に乗船して帰国。

1942年（昭和17年）の第21回衆議院議員総選挙では、翼賛政治体制協議会の非推薦候補であったため落選しました。

戦後の活動

戦後、1946年（昭和21年）の第22回衆議院議員総選挙で再び当選を果たします。しかし、翌1947年（昭和22年）の第23回衆議院議員総選挙では落選。同年、日米文化振興会会長に就任し、日米間の文化交流に尽力しました。1949年（昭和24年）には、シカゴ大学の招請により日米文化振興会会長として渡米。この渡米に際しては、昭和天皇に拝謁する機会を得ました。

その他の活動と晩年

政治活動の傍ら、国際出版印刷、国際産業の各社長を務めるなど、実業家としても活動しました。1985年（昭和60年）4月10日に98歳で死去。墓所は多磨霊園にあります。

笠井重治は、激動の時代を生きた政治家として、その生涯を通じて日米関係の改善や文化交流に貢献しました。彼の足跡は、今日の国際社会においても重要な意味を持つと言えるでしょう。

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