第二十一号掃海艇

日本海軍の掃海艇、第二十一号掃海艇は、第十九号型掃海艇の3番艇として建造されました。同型艇は合計17隻が建造されましたが、本艇は終戦まで生き残ったわずか2隻のうちの1隻です。計画段階では基準排水量700トンクラスの掃海艇として構想され、仮称艦名第166号艦と呼ばれていました。

艇歴

建造から就役

第二十一号掃海艇は、1941年9月20日に株式会社播磨造船所にて、製造番号325番船として建造が開始されました。1942年1月20日に「第二十一号掃海艇」と命名され、同時に舞鶴鎮守府を本籍地と仮定され、一時的に第七号型掃海艇の8番艇として類別されました。同年2月28日には進水し、4月1日には艦艇類別等級の改訂により、掃海艇の項目に新設された第十九号型の3番艇として正式に定められました。播磨造船所内に艤装員事務所を設置し準備が進められ、6月30日に無事竣工を迎えました。竣工と同時に艤装員事務所は撤去され、同日付で本籍地も正式に舞鶴鎮守府と定められました。

戦時中の活動

竣工後、本艇は第八艦隊第八根拠地隊に編入され、主にラバウル方面で重要な船団護衛任務にあたりました。激化する戦況下、南方のシーレーン防衛に貢献しました。

1943年4月10日には馬公方面特別根拠地隊へ、同年9月19日には鎮海警備府へ所属が変更されます。鎮海警備府所属のまま、11月10日からは南東方面艦隊の作戦指揮下に入り活動しました。12月15日には再び第八艦隊第八根拠地隊に編入され、トラックやカビエン方面で船団護衛任務に従事しました。

同年12月25日、カビエン沖にてアメリカ海軍第50.2任務群の空母「バンカー・ヒル」および「モンテレー」搭載機による空襲を受け損傷しました。翌1944年1月にはトラックへ回航され、工作艦「明石」による応急修理を受け、損傷箇所は回復し最大速力14ノットを発揮できるまでになりました。

大規模改修と終戦

1944年3月10日、第四艦隊第三十根拠地隊に編入。同年3月26日には舞鶴港に入港し、舞鶴海軍工廠にて本格的な修理、機関部の陸揚げ点検、そして艦隊からの訓令に基づく大規模な改修工事が実施されました。この工事は同年7月12日まで続けられました。改修工事の主な内容は、3番砲と爆雷投下台の一部撤去、電波探知機の設置、対空能力強化のための25mm機銃（連装2基、単装3基）増設、水中探信儀・聴音機の新型換装、八一式および九四式爆雷投射機と爆雷投下軌条の設置など多岐にわたり、対空・対潜戦闘能力が大幅に強化されました。舞鶴での工事後、佐世保へ回航し佐世保海軍工廠で電波探信儀関連の基礎工事が追加で行われています。

その後、第三十根拠地隊の第三南遣艦隊への転籍に伴い所属が変わり、支那方面艦隊の作戦指揮下、さらに8月1日には連合艦隊附属となりました。この期間は軍隊区分南西方面部隊として、沖縄や上海方面で船団護衛任務にあたりました。

1945年2月12日以降は軍隊区分支那方面部隊として、上海や青島方面での船団護衛任務を継続し、そのまま青島にて終戦を迎えました。

戦後

終戦後、第二十一号掃海艇は1945年10月25日付で帝国掃海艇籍から除籍されました。同年12月1日には舞鶴地方復員局の所管となり、復員輸送などに従事する特別輸送艦に指定されました。この際に艦名も「掃第二十一号」と改められています。

1946年12月15日には特別保管艦として保管されることになりましたが、1947年10月1日には特別輸送艦としての指定を解かれました。同年10月3日、賠償艦として青島でアメリカ合衆国軍に引き渡されました。

最終的に、1947年10月7日、黄海上の指定された海域（北緯35度19分東経123度13分）にて、アメリカ軍の実艦的として海没処分されました。10月25日に関連する事務手続きが完了し、その艇歴を閉じています。

歴代艇長

- 艤装員長

- 藤森三郎予備大尉: 1942年5月31日 - 1942年6月26日
- 森安榮予備大尉: 1942年6月26日 - 1942年6月30日

- 掃海艇長 / 艦長

- 森安榮予備大尉/大尉: 1942年6月30日 - 1944年6月1日
- 氏原茂大尉: 1944年6月1日 - 1945年6月30日
- 阿土拓司大尉/第二復員官: 1945年6月30日 - 1946年2月15日 (1945年12月20日より掃第二十一号艦長)
- 楠戸醇一第二復員官/第二復員事務官: 1946年2月15日 - 1946年5月10日
- 文澤義永第二復員事務官/復員事務官: 1946年5月10日 - 1947年1月20日
- 田中健一復員事務官: 1947年6月5日 - (兼任、本職: 舞鶴管船部勤務)
- 星子直明復員事務官: 1947年9月5日 - 1947年10月1日

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