第二次コリンスの戦い
第二次コリンスの戦いは、
1862年10月3日と4日に
ミシシッピ州コリンスで発生した
南北戦争における重要な戦いです。この戦いは、同年9月にイウカの戦いで敗北した南軍が、コリンスを奪還し、
北軍の補給線を断つことを目的としていました。しかし、
北軍の
ウィリアム・ローズクランズ少将は、入念な防御陣地を構築し、南軍の
アール・ヴァン・ドーン少将の攻撃を撃退しました。
背景
1862年9月、南軍の
ブラクストン・ブラッグ将軍が
ケンタッキー州に進軍したため、
北軍のドン・カルロス・ビューエル少将は
テネシー州ナッシュビルから追跡を開始しました。南軍は、ビューエル軍がグラント少将のテネシー軍と合流するのを阻止する必要がありました。グラント軍は、
コリンスの包囲戦以降、
テネシー州西部と
ミシシッピ州北部で補給線を維持していました。
9月19日には、イウカの戦いで南軍の
スターリング・プライス少将が
北軍に敗北しました。プライスはヴァン・ドーンの軍隊と合流し、グラントの通信線を妨害しようとしましたが、グラントとローズクランズは先手を打ち、プライスをイウカから撤退させました。
イウカでの敗北後、グラントは
テネシー州ジャクソンに作戦本部を設置しました。ローズクランズはコリンスに戻り、
北軍はコリンス、ボリバー、メンフィス、ジャクソンに兵力を分散して配置しました。一方、プライスはリプリーでヴァン・ドーン軍と合流し、ヴァン・ドーンが総指揮を執ることになりました。南軍は約22,000人の兵力を擁し、
10月1日にポカホンタスに移動しました。グラントは、ヴァン・ドーンの目標がコリンスであると確信し、ローズクランズに攻撃に備えるよう指示しました。
戦闘前の準備
コリンスは、南北に走る二つの鉄道が交わる要衝であり、戦略的に重要な場所でした。ローズクランズは、南軍の攻撃を予想し、コリンス周辺に強固な防御線を築いていました。既存の塹壕線を修正し、町に近い場所にハレック線と呼ばれる新たな防御線を構築しました。そこには、ロビネット、ウィリアムズ、フィリップスなどの強力な砲台が設置され、周辺の樹木を伐採して
逆茂木を形成しました。ローズクランズの作戦は、古い塹壕線で敵を迎え撃ち、ハレック線で主力を激突させるというものでした。
戦力
南軍のヴァン・ドーン軍は、プライス軍団とミシシッピ地区軍第1師団で構成され、約22,000人の兵力を有していました。
プライス軍団:
ルイ・ヘーベル准将師団
ダブニー・H・モーリー准将師団
ミシシッピ地区軍第1師団:
マンスフィールド・ラベル少将指揮
対する北軍のローズクランズ軍は、ミシシッピ軍とテネシー軍からの借用師団で構成され、約23,000人の兵力を有していました。
ミシシッピ軍:
デイビッド・S・スタンリー准将師団
チャールズ・S・ハミルトン准将師団
ジョン・K・マイズナー大佐の騎兵師団
テネシー軍からの借用師団:
トマス・A・デイビーズ准将師団
トマス・J・マッキーン准将師団
戦闘の経過
10月3日午前10時、南軍の攻撃が開始されました。ラベル師団がマッキーン師団を攻撃し、モーリー師団がデイビーズ師団に攻撃を仕掛けました。南軍の攻撃は激しく、
北軍は一時的に後退を余儀なくされました。デイビーズ師団とマッキーン師団の間に隙間ができ、南軍は午後1時半頃にここを突破しました。
北軍は砦から半マイル以内の線まで退き、大砲2門が南軍に奪われました。ハックルマン将軍が戦死し、オグルスビー将軍が重傷を負いました。午後3時頃、ハミルトンは南軍の左翼を攻撃するよう命令を受けましたが、その準備に時間がかかり、攻撃は中止となりました。この日、南軍が優勢に進みましたが、夜の闇に助けられ、
北軍は防御線内で態勢を立て直しました。
10月4日午前4時半、南軍は
北軍の塹壕線に対して砲撃を開始しました。しかし、攻撃はなかなか始まりませんでした。午前7時、ヘーベルが病気で指揮不能となり、グリーン准将が指揮を引き継ぎました。グリーンは4個旅団を率いて攻撃を開始しましたが、その準備に時間がかかりました。ゲイツ旅団とマクレイン旅団がパウェル砲台を攻撃し、ムーア旅団とコルバート旅団がハミルトンの前線を攻撃しました。パウェル砲台への攻撃は成功しましたが、ハミルトンは陣地を守り抜き、デイビーズの部隊と協力して南軍を砲台から追い出し、大砲を奪い返しました。一方、モーリー師団はロビネット砲台で激しい抵抗を受け、大きな損失を出して撤退を余儀なくされました。ファイファー旅団はデイビーズの左翼を後退させ、町の中に侵入しましたが、サリバン旅団の反撃を受け、壊走しました。ラベル師団は、全軍撤退を支援する配置に就きました。午後4時、グラント軍からの援軍が到着しましたが、戦闘はすでに終結していました。
戦闘の後
この戦いで、
北軍は戦死355名、負傷1,841名、捕虜または不明324名の損害を受けました。南軍は戦死473名、負傷1,997名、捕虜または不明1,763名の損害を受けました。ローズクランズは、グラントからヴァン・ドーン軍の追撃を命じられましたが、兵士の疲労を理由に追撃を始めませんでした。グラントはこのローズクランズの行動を強く批判しました。その後、ローズクランズはドン・カルロス・ビューエルの後任としてオハイオ軍の指揮官に任命されました。
ヴァン・ドーン軍は、コリンスでの敗北後、ホリースプリングスに撤退しました。ヴァン・ドーンは敗北の責任をヘーベルに負わせましたが、後にジョン・C・ペンバートン少将に指揮官職を交代させられました。コリンスでの無意味な損失は南部全体で大きな憤慨を呼びました。ヴァン・ドーンは、この戦いの責任を問うために調査委員会を請求し、その結果、あらゆる非難に対して無罪が宣言されました。
結論
第二次コリンスの戦いは、
北軍が南軍の侵攻を阻止した重要な戦いです。この戦いで、ローズクランズは優れた防御戦術を示し、ヴァン・ドーンの攻撃を打ち破りました。この勝利は、
北軍の士気を高め、西部戦線における戦局を有利に進める上で重要な役割を果たしました。
関連項目
南北戦争
西部戦線 (
南北戦争)
参考文献
Eicher, David J., The Longest Night: A Military History of the Civil War
, Simon & Schuster, 2001
Foote, Shelby,
The Civil War, A Narrative: Fort Sumter to Perryville, Random House, 1958
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, Alfred A. Knopf, 2005
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Carter, Arthur B.,
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Castel, Albert, General Sterling Price and the Civil War in the West
, Louisiana State University Press, 1993
Cozzens, Peter,
The Darkest Days of the War: The Battles of Iuka and Corinth, The University of North Carolina Press, 1997
Dossman, Steven Nathaniel, Campaign for Corinth: Blood in Mississippi
, McWhiney Foundation Press, 2006
外部リンク
National Park Service interpretive center for Corinth (part of the Shiloh National Military Park)
Mississippi, website
The Siege and Battle of Corinth: A New Kind of War, a National Park Service Teaching with Historic Places (TwHP) lesson plan
*
Order of battle listings