第五十一号型駆潜艇

第五十一号型駆潜艇について

第五十一号型駆潜艇は、日本海軍が開発した駆潜艇クラスの一つであり、その設計と運用に関する多くの歴史的な背景を持っています。この型は、三隻から成る同型艦が建造され、各艦は異なる艦歴を持っています。最初の類別がなされたのは1936年であり、当初の役割から始まり、時代と共に変遷を辿りました。

計画と設計の経緯

この型の計画は1983年度の第一号型駆潜艇に続く形で、以下の計画で中型艦艇と小型艦艇を合わせて3隻建造することを目指しました。小型駆潜艇の設計は当初150英トンの基準排水量で、20ノットの速力と500カイリの航続距離を求めていましたが、艦政本部の後任が25ノットの速力を要望したことで、設計が見直されました。

設計の過程では、海外からの設計知識の吸収が重要視され、ドイツやイギリスの造船所からの協力を模索しました。イギリスのソーニクロフト社が唯一応じたものの、要求を満たすことができず、最終的には旧水雷艇雁を基にした設計が採用されました。しかし、最終的な設計には復原性能を含めた多くの課題が残り、排水量は175トンに増えたものの、速力は23ノットに低下することとなりました。

機関と装備

機関にはディーゼルエンジンが採用され、ドイツのMAN社から2基を購入し、国内でも同様のものを製造しました。性能を重視する一方で、高価で量産には向かず、竣工に遅れが生じました。主機関の設計には軽量で高出力の特性が求められましたが、その結果としてあらゆる部分でトラブルが発生することとなります。

さらに、艦体は高速運航のための凌波性が必要でありつつも、復原性能を考慮されました。そのため艦首には大きなシアが付けられ、一方で艦尾は乾舷を減らすという複雑な設計が施されました。艦橋は全閉鎖式とされ、波浪による影響を軽減する努力がなされました。

武装と運用

艦の主武装には40 mmの単装機銃が装備されており、艦首に設置されましたが、波をかぶるリスクから後部への移設が求められました。水雷兵装としては九四式投射機や爆雷を搭載し、水中聴音機も装備されるなど、充実した戦闘力が期待されましたが、実際には性能面で制約も多く見られました。

艦歴

竣工後は主に佐世保防備隊や呉防備隊に所属し、戦局に応じて転籍し、1940年には駆潜特務艇に類別変更されました。さらに1943年には艇番号も変更され、最終的には雑役船として終戦を迎えました。第三号型とともに戦時中の運用がなされましたが、小型艦艇として過ぎ、量産には向かなかった結果、以後の建造は行われませんでした。

駆潜艇としての役目を果たす中、艦としての特性や設計の履歴が、今後の同型艦艇や後続艦艇への影響を与えることとなりました。

もう一度検索