第11代総選挙 (大韓民国)

第11代総選挙の概要

第11代総選挙は、1981年3月25日に韓国で実施され、韓国国会を構成する議員が選出された重要な選挙です。この選挙は、第五共和国における新たな国会設立のために実施され、政治的背景には全斗煥（チョン・ドファン）大統領の政権形成が深く関わっています。

1980年、全斗煥が政権を握るきっかけとなったのは、1979年の粛軍クーデターと1980年の5・17非常戒厳令の施行でした。このクーデターを通じて、全斗煥は国家の実権を掌握し、その後の改革を推進しました。全斗煥は、1980年10月に憲法改正を行い、新たに第五共和国憲法を公布し、同年末には前回の国会が解散されました。

次年の1981年2月には大統領選挙が実施され、全斗煥が再選され、5月に開かれる国会選挙に向けた準備が進みました。この選挙を通じて、全斗煥の与党である民主正義党は国会の安定した過半数を獲得し、国内政治の構図を大きく変えました。

政党の改編

第11代総選挙は、当時の政治状況を反映する形式で行われました。特に、政党の再編成が注目されます。新軍部勢力が政権を維持するために、既存の政党が多く解散され、元与党である民主共和党や野党の新民党の主要な政治家が政治の表舞台から排除されたためです。この状況下で新たに結成された政党には、全斗煥を総裁とする民主正義党、元新民党の議員を中心にした民主韓国党、民主共和党と維新政友会の議員を中心に結成された韓国国民党などがあります。

新しい選挙法の特徴

この選挙は、新たに制定された国会議員選挙法に基づいて行われました。この法律は、第四共和国時代に存在した統一主体国民会議の議員選出制度を廃止し、また全国区を復活させることになりました。新たな選挙法のもとでは、地域区と全国区の二つの選挙区が存在し、地域区は中選挙区制が適用され、全国区は比例代表制のもとで議席が配分されました。この新しい制度により、民正党は全国区でのボーナス議席を獲得し、議席を確保することができました。

選挙結果

第11代総選挙は、投票者21,094,468人中、約77.7%の投票率を記録し、約16,397,845人が投票しました。最終的な結果では、民正党が圧勝し、安定した過半数を取得しました。特に注目すべきは、民正党が都市部でも強い支持を得たことであり、野党が優位に立ちがちな地域でも勝利を収めました。一方で、社会党や韓国基民党など、議席を全く得られなかった小政党は、政党法に基づいて登録を失うこととなりました。

結論

第11代総選挙は、全斗煥政権下の新しい政治的スタンスを確立するための重要な節目となりました。これにより韓国の政治の流れは大きく変わり、以降の政治的動向にも大きな影響を与えることになります。政治の再編成や新たな政党の結成を通じて、韓国の政治文化は新しい時代を迎えることとなりました。

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